福島復興のシンボルとして福島県浪江町の沿岸部に整備した棚塩産業団地に設立された世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」が7日、開所します。
同研究フィールドは、太陽光パネルで得られる直流電源で水を分解して水素を得ることをベースに、燃料電池車約560台分/日の水素燃料の製造と約150世帯分の電力を供給する能力を持ちます。
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浪江復興の象徴に 棚塩産業団地が完成
河北新報 2020年03月05日
福島県浪江町は4日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興のシンボルとして沿岸部に整備した棚塩産業団地を公開した。7日には世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」が開所する。26日には東京五輪の聖火リレーの舞台にもなる。
団地は、東北電力から無償提供を受けた47.3ヘクタールに2018年4月着工。完成した敷地から事業者に引き渡してきた。このほど道路や水道、排水路などの関連工事を終えた。造成費用は約45億円で、国の復興交付金などを充てた。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが整備した水素製造拠点(約22ヘクタール)以外では、県が進める「福島ロボットテストフィールド浪江滑走路」(約5ヘクタール)が3月下旬に開所する予定。無人航空機用の長さ400メートルの滑走路や格納庫を備える。
集成材の大規模工場「福島高度集成材製造センター」(約9.4ヘクタール)も整備中で、20年度内の完成を目指す。残る区画でも先端産業の誘致を図る。
浪江産の水素は、東京五輪で聖火リレーのトーチや開閉会式の聖火台の燃料に用いられる。