2020年3月19日木曜日

トリチウム汚染水海洋放出に反対決議 浪江町議会

 福島県浪江町の3月定例町議会で、放射性物質トリチウム汚染水の海洋放出に反対する決議案を全会一致で可決しました。
 決議では、町の基幹産業である漁業の全面再開を目前にした時期に海洋放出をすればさらなる風評被害を招くと指摘し「過去に行われた公聴会の発言で大多数を占めた陸上保管を継続し、その間にトリチウム除去技術開発を急ぐべきである」と要求しています。 
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海洋放出に反対決議 浪江町議会、処理水処分で 福島県内初
福島民報 2020/03/18
 浪江町の三月定例町議会は十七日、最終本会議を開き、東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出に反対する決議案を全会一致で可決した。町議会事務局によると、政府の小委員会が一月末に海洋放出の利点を強調する提言を大筋で了承して以降、同様の決議を可決するのは県内初。 

 決議では、町の基幹産業である漁業の全面再開を目前にした時期に海洋放出をすればさらなる風評被害を招くと指摘。その上で「過去に行われた公聴会の発言で大多数を占めた陸上保管を継続し、その間にトリチウム除去技術開発を急ぐべきである」と要求した。 
 佐々木恵寿議長は取材に「請戸漁港をはじめ、県内の風評被害拡大につながる。海洋放出は復興に水を差す」と危機感を示した。

 県内では処分が福島県のみで行われたり、福島県から始まったりすれば風評が強まるとの懸念が根強い。いわき市議会は二〇一八(平成三十)年の十一月定例会で、処理水の海洋放出の可否を判断する際、慎重に決定するよう国に求める意見書を可決し、経済産業省などに提出した。 
 原発の立地する大熊、双葉両町では処理水を保管するタンクが増え続けている。浜通りの自治体からは「他市町村でも保管するなど、両町の負担軽減策を議論すべきだ」との意見も出ている。 
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 浪江町議会は十六、十七の二日間にわたり議案を審議した。三百四十億九千三百万円の二〇二〇(令和二)年度一般会計当初予算など、追加提出を含め計六十一議案を原案通り可決し、閉会した。