森法相は9日の参院予算委で、黒川検事長の定年延長を可能にした法解釈の変更について「社会情勢の変化」が理由と主張し、その具体的な説明を求められると、唐突に原発事故時に「検察官は福島県いわき市から国民、市民が避難していない中で最初に逃げた。その時に身柄を拘束している十数人の人を理由なく釈放して逃げた」と発言しました。
仮にそれが真実だとしても、一体それが「社会情勢の変化」とどういう関係なのか解釈に苦しみます。
11日の予算委で山尾志桜里議員から追及されると森氏は、「個人的見解を述べたのは不適切だった」、「個人的見解だと示すことなく述べたのも不適切だった」として撤回しました。
そもそも黒川定年延長の理由付けを「社会情勢の変化」としたことが虚偽で、それをさらにデタラメで上塗りしたのでした。
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震災時に「検察官が最初に逃げた」森法相が答弁撤回
日刊スポーツ 2020年3月11日
森雅子法相は11日の参院予算委員会で、2011年の東京電力福島第1原発事故当時、福島県の検察官が市民より先に逃げたとの9日の答弁について「不適切だった」と述べ、答弁を撤回した。予算委は野党が反発して紛糾し、審議が打ち切られた。立憲民主党の蓮舫参院幹事長は記者団に「自ら所管する検察官を事実確認なく愚弄（ぐろう）した。閣僚の資質は一ミリもない」と更迭を要求した。
森氏は9日の予算委で、黒川弘務東京高検検事長の定年延長を可能にした法解釈変更について「社会情勢の変化」が理由と主張。野党から具体的な説明を求められ、唐突に原発事故時のケースを例示し「検察官は福島県いわき市から国民、市民が避難していない中で最初に逃げた。その時に身柄を拘束している十数人の人を理由なく釈放して逃げた」と発言した。
11日は予算委に先立つ衆院法務委員会で立民の山尾志桜里氏が「『検察官が最初に逃げた』というのは事実か」と指摘。森氏はいったん「事実だ」と明言したが、さらに追及されると「『逃げた』というところは個人的見解だ」などと曖昧な表現に終始したため紛糾し、法務委は散会した。
森氏はその後の参院予算委で、9日の答弁を巡り「検察を所管する法相として、検察の活動について個人的見解を述べたのは不適切だった」と言及。「個人的見解だと示すことなく述べたのも不適切だった。撤回する」と表明した。
国民民主党の原口一博国対委員長は「検察官が逃げた」との森氏の発言について「事実無根だ」と批判。野党は閣僚の資質を欠くとして辞任要求を強め、与党に対応を求める。菅義偉官房長官は記者会見で「閣僚は国会では緊張感を持って対応してもらいたい」と苦言を呈した。
福島地検は原発事故直後、捜査遂行が困難だとして勾留中の容疑者を処分保留で釈放した。森氏は参院福島選挙区選出で、当時、野党議員として民主党政権を批判していた。（共同）
