三菱重工業は18日、年内に開始を予定する第1原発2号機の溶け落ちたデブリの試験的取り出しに使う「ロボットアーム」を報道陣に公開しました。今後、福島県楢葉町の訓練施設に搬入し、半年程度の動作確認を行う予定です。
(註 先にトラブルを起こし格納容器底部の探査が出来なくなった水中ロボットとは別の
ものです)
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ロボットアーム、2号機のデブリ採取へ 福島第1原発
河北新報 2022/01/19
東京電力福島第1原発の廃炉事業に参画する三菱重工業は18日、神戸市の同社神戸造船所で、年内に開始を予定する第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しに使う「ロボットアーム」を報道陣に公開した。今後、福島県楢葉町の訓練施設に搬入し、半年程度の動作確認を行う予定。
英国の原子力企業と三菱重工業、国際廃炉研究開発機構(IRID)が共同開発し、昨年7月に英国から日本へ搬入した。アームは長さ22メートル、重さ4・6トン。高強度のステンレス鋼製で、最大10キロの堆積物を持ち上げることができる。
原子炉格納容器内部には側面の穴から投入する。折り畳んだ状態のアームを金属レールに乗せ、貫通孔の中を展開しながらデブリに近づける。アームの先端にはデブリに押し当てて粉末を付着させる金属ブラシやデブリを取り込める真空容器が取り付けてあり、1回1グラム程度のデブリ回収を数回繰り返す予定。
レーザースキャナーも搭載し、実際の作業は3次元の点群データで仮想現実(VR)化した格納容器内をモニターで見ながら遠隔操作する。三菱重工業新型炉・原燃サイクル技術部の細江文弘次長は「デブリ取り出しは世界初の難易度の高い作業になるが、廃炉を少しでも前に進めるためにも尽力したい」と話した。
2号機デブリの試験的取り出しは当初2021年に始める予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で英国での性能試験が遅れるなどしたため、開始時期が1年延期された。