三菱総合研究所が原発事故に伴う風評問題などをテーマに東京都民1000人に行った調査で、放射線の影響により今後、福島県民にがんなどの健康影響が出たり、次世代に遺伝的影響が生じたりすると思っている人の割合は全体の４割前後でした。
三菱総研はこれを放射線の影響に関する「誤解」だと決めつけていますが、遺伝的影響の有無は別にして、福島での甲状腺がんの多発や、米国の放射線研究所や原水爆実験場の近くで起きている白血病や放射線障害を見るとそうは言いきれない筈です（被爆してからガン化するのに約20年掛かるものもあるといわれています）。
むしろそれは年間20ミリシーベルトの地域で生活しても支障がないという「主張」と共通するものと思われます。
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都民1000人風評調査、放射線誤解浮き彫り 「健康に影響」４割
福島民友 2022年01月19日
三菱総合研究所（東京都、三菱総研）が原発事故に伴う風評問題などをテーマに東京都民１０００人に行った調査で、放射線の影響により今後、福島県民にがんなどの健康影響が出たり、次世代に遺伝的影響が生じたりすると思っている人の割合は全体の４割前後だった。前回調査と比べ減少したものの、原発事故から１０年以上が経過した今も放射線の健康影響を巡って、誤った理解をしている人が一定割合存在することが改めて浮き彫りになった。
三菱総研が１８日発表した。昨年８月２５～２７日、２０～６９歳の都民の男女１０００人を対象にインターネットでアンケートを行った。２０年に続き、４回目の調査になる。
福島県民にがんなどの健康影響が今後生じるかどうかを聞いたところ、四つの選択肢のうち「可能性が高い」側の二つを選んだ人が４２．４％（前回調査比１．３ポイント減）に上った。次世代に遺伝的影響が生じるかという設問では「可能性が高い」側が３６．９％（同４．３ポイント減）だった。
県産食品に対する意識も調べた。「自分が食べる場合、放射線が気になるのでためらう」と回答した人は２０．７％（同２．９ポイント増）となり、これまで一貫して減少傾向にあったが増加に転じた。
国連放射線影響科学委員会（ＵＮＳＣＥＡＲ＝アンスケア）は最新の報告書で、将来被ばくが原因でがんが増えるなどの健康影響が見られる可能性は低いと結論付けている。三菱総研は「国連科学委員会の報告など、最新の科学的な知見の理解を進めるための対応が求められる」と提言している。
世界に復興五輪発信「できていた」９％
今回の調査では、「復興五輪」と位置付けられ、県内で競技も行われた昨年の東京五輪に関連する調査も行われた。「五輪を通じて福島の復興状況が世界に発信できたと思うか」という問いに、「発信できていた」側の回答は９．３％と１割に満たず、「発信できていなかった」側は６３．１％に上った。「五輪を通じて福島の復興を実感することができたか」との問いでは、「実感できなかった」側が６７．５％に上った。
