知事選で、川内原発の延長問題を検証する委員会に原子力政策に批判的な学識者を複数追加すると公約した鹿児島県の塩田康一知事は、実際には計6人中、批判的な委員は「1人しかおらず」公正な議論ができないと反原発団体から指摘されたのを受けて、批判的な学識者を追加することを検討していると明らかにしました。
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川内原発運転延長 鹿児島県、検証へ批判的委員の追加検討 知事「反原発団体の要望受け」
南日本新聞 2022/01/05
鹿児島県の塩田康一知事は4日、原則40年の運転期限が迫る川内原発(薩摩川内市)の延長問題を検証する県専門委員会分科会の委員に、原子力政策に批判的な学識者を追加することを検討していると明らかにした。反原発団体や県議会野党系会派・県民連合の「要望を踏まえた」と述べた。
専門委を巡っては昨年末、4人を特別委員に追加。既存委員2人と計6人で分科会を設置した。「批判的な学識者を複数追加した」と説明した知事に対し、反原発団体は「1人しかおらず、公正な議論ができない」と反発。県民連合も批判的な学者を新たに加えるよう申し入れていた。
4日の年頭会見で塩田知事は特別委員4人について、「国や他県の原子力の委員会で、厳しい意見を言っている方々が含まれている」と強調。批判的な学識者が複数いるとの認識を改めて示した。
新たに何人を特別委員に加えるかは未定とし、「分科会での検証に合致する人がいるか調べている」と述べた。日程を調整している分科会初会合までの追加を目指し、途中加入もあり得るとした。
「反原発・かごしまネット」の向原祥隆代表は「批判的学者を複数追加するという約束を果たしてくれるものだと歓迎する」と話した。