福島第1原発の廃炉作業に使うロボットの機能やアイデアを競う「廃炉創造ロボコン」が、12高専13チームが出場して行われ、熊本高専熊本キャンパスロボコン部のロボットが特別賞に選ばれました。
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回転しながら除染 いいね! 廃炉創造ロボコン 熊本高専が特別賞
アイデア、高精度を評価
熊本日日新聞 2022/01/29
東京電力福島第1原発の廃炉作業に使うロボットの機能やアイデアを競う「廃炉創造ロボコン」で、熊本高専熊本キャンパス(熊本県合志市)ロボコン部のロボットが特別賞に選ばれた。壁に付着した放射性物質を回転しながら除染する仕組みで、アイデアと精度の高さが評価された。
日本原子力研究開発機構などが昨年12月に開き、12高専13チームが出場した。今回の課題は、高い放射線量で人が立ち入れない原子炉建屋内の壁上部の除染を想定。10分以内にS字コースを進み、2・7メートルの高さに張られた縦横約1メートルの模造紙をペンで塗りつぶす正確さを競った。
同校制御情報システム工学科4年堤哲之介さん(19)、中川岬さん(19)、笹原征南さん(19)が作ったロボット「NULL(ヌル)」は、ペンを持つ回転部分が垂直に立ったレール上を上下左右に動いて色を塗る。実際は汚染部分を削って除染するため、「前後にも動かせ、壁に密着できる作りにした」と堤さん。
ロボットの高さは50センチ~3メートルまで調整可能だが、笹原さんと中川さんは「回転装置の重さが10キロあるので、伸ばした時に重心を安定させるのが難しかった」と話す。走行用のタイヤとは別に、土台を支える足を作った。
大会当日は、S字コースを進めなかったり、うまく塗れなかったりしたチームが半数ほどあった中で、3人はコース内の段差に苦戦したものの、模造紙までたどり着き、3分の1を塗った。堤さんは「足が動かなかったりケーブルが絡まったりするアクシデントがあったが、対応力が磨かれたと思う。今後に生かしたい」と話している。(深川杏樹)