伊達重機と日本水素ステーションネットワーク合同会社は、商用定置式の水素ステーションを浪江町に今年12月完成で開設を目指しています。
水素は燃料電池車用の燃料になる他、燃焼しても炭酸ガスを発生させない燃料として注目されています。
浪江町に整備される水素ステーションは、1時間当たり燃料電池車約10台分の充てんができます。
伊達重機は、東京五輪で使われたトヨタ自動車の燃料電池車「ミライ」を50台購入してそのリースを行うことで水素社会実現に向けた機運醸成を図りたいとしています。
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浪江に「定置式水素ステーション」 伊達重機、12月開設目指す
福島民友 2022年01月28日
伊達重機(浪江町)と日本水素ステーションネットワーク合同会社(東京都)は、相双地方で初めてとなる商用定置式の水素ステーションを浪江町川添に整備する。今年12月の完成、開設を目指す。世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」(FH2R)が立地し、さまざまな水素関連の実証が展開されている「水素タウン」で、水素社会の実現に向けた動きが加速しそうだ。
浪江町に整備される水素ステーションは、1時間当たり燃料電池車(FCV)約10台分の充てんができる。国と県の補助金を活用する。水素燃料は当面、県内の水素製造販売事業所から調達する。将来的にはFH2Rで製造された水素の活用を視野に入れ、水素の地産地消モデルの構築を目指す。
伊達重機は1985(昭和60)年創業で、主にクレーンのリース事業などを浜通りで展開してきた。前司(ぜんじ)昭博専務(40)は「弊社リース事業は廃炉や復興作業で多く活用いただいているが、一方で環境への配慮が課題だ。FCVの普及拡大を図ることで、SDGs(持続可能な開発目標)を推進し、地域に貢献したい」と述べた。
県によると、県内にある定置式の水素ステーションは現在、いわき市の1基のみ。2月に郡山市、新年度中に福島市で整備される計画がある。
ミライをリース
伊達重機は、水素を燃料とするトヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」のリース事業を昨年12月に始めた。車両は昨年の東京五輪で使われた中古車で、50台を購入した。前司専務は「浪江の水素ステーション整備を前に、水素社会実現に向けた機運醸成を図りたい」と語った。