福島県と北海道寿都町の高校生が一緒に福島第1原発の廃炉作業を見学し、また北海道寿都町の町の様子やそこで行われている「核のゴミの最終処分地の選定に関わる文献調査」の実態を学ぶ催しが8日にスタートしました。8日は福島第1原発の廃炉作業を見学し、10日には寿都町に移動して町の取り組みなどを学ぶ予定です。
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福島・双葉や原発視察、まちづくり学ぶ 浜通りと北海道・寿都町の高校生
福島民友新聞 2022/8/9
福島県広野町のNPO法人ハッピーロードネットは7日、高校生交流事業「未来につなぐまちづくり塾」を始めた。浜通りの高校生と、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場を巡って文献調査が進む北海道寿都町(すっつちょう)の高校生が互いに訪問し、まちづくりや地域の課題を探る。
原子力問題に向き合う地域の高校生が共に学ぶことで、古里の将来を考えるリーダーの育成を目的に企画した。7日は寿都高(北海道寿都町)の生徒9人やサポート役の大学生が、いわき市のいわき震災伝承みらい館などを訪れた。8日は浜通りの高校生10人らと合流し、東京電力福島第1原発や中間貯蔵施設などを視察した。
このうち双葉町では、町秘書広報課の橋本靖治課長が、町内には復興が進む「光」の部分と、震災当時から手つかずの「影」の部分があると現状を説明し、「自分が震災と原発事故の影響で避難する立場だったらどういう行動をするか考えてほしい」と語った。
一行は中間貯蔵施設の敷地内にある橋本課長の実家も訪れ、イノシシなどの鳥獣や空き巣で荒らされた状況を確認した。寿都高1年の西村玲緒さん(15)は「核のごみの問題について知りたいと思って参加した。ニュースや写真で見るだけでは、復興の本当の状況は分からないと知った」と話した。磐城桜が丘高2年の愛沢美優さん(16)は中間貯蔵施設を訪問して除染で出た土の量に驚いたといい、「この土の最終処分を受け入れる先が見つかるのかと考えさせられた」と述べた。
9日は大熊、双葉両町長が講師を務めるセミナーに参加し、復興に向けたまちづくりなどを学ぶ。10日からは寿都町に移動し、文献調査に応募した町の取り組みなどに理解を深める。
福島と北海道の高校生が福島第一原発へ 原発事故・核のごみ…ともに考えるプロジェクト
福島テレビ 2022/8/9
8月8日に福島第一原発を訪れた福島県と北海道寿都町の高校生。
原発事故を経験した福島県、そして原発から出る高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分地の選定に関わる文献調査が行われている北海道寿都町。
原子力問題を共に考えようと、広野町のNPO法人「ハッピーロードネット」が企画した。
寿都町の高校生にとっては、初めて目にする原発事故の現場。
寿都高校・中山凌空さん:「ガレキが(まだ)あって10年近く経っても、これだけ残っているっていう事は、見るだけで結構心が痛くなるような感じだったんで、そんな事考えたら、二度とあって欲しくないなと思いました」
一方、原発を訪れたことのある福島県の高校生は変化も感じていた。
磐城桜が丘高校・愛澤美優さん:「ロボットの話だったり、どんどん進んでいってる感じがして、廃炉とか復興が進んでいってるなあって思いました」
そして、原発事故の影響が続く双葉町郡山地区も訪れた。
11年前のカレンダーが残り荒らされてしまった住宅…11年前からランドセルが置かれたままの小学校。
北海道の高校生:「実際に体験した事が無いから、共感出来るよとかそういう風には思えないんですけど。これが自分の地元だったら、いや~やるせないだろうなという思いがあります」
NPO法人ハッピーロードネット・西本由美子理事長:「福島に来ては被災地を見て頂いたり、寿都に行ってはこれからの未来を見て頂いたりして。その上で、自分達が何をしなきゃいけないのかっていう事を全国に発信出来たり、世界に発信出来たら素敵ではないのかな」
8月10日からは、福島の高校生が寿都町を訪れて町の現状や文献調査などについて学ぶことにしている。