経産省は、23年夏以降に柏崎刈羽原発など国内の原発計7基の再稼働を目指す方針を24日、「GX実行会議」(議長=岸田首相)で表明します。追加で再稼働を目指すのは、柏崎刈羽原発6、7号機のほか、東北電力女川原発2号機、関西電力高浜原発1、2号機、中国電力島根原発2号機、日本原子力発電東海第二原発の7基で、柏崎刈羽原発6、7号機、日本原子力発電東海第二原発の3基は地元同意に向け、国が前面に立って調整を進めるということです。
すべては火力発電所を不用意に停止乃至廃止した結果です。
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柏崎刈羽など原発7基、来年夏以降に再稼働へ…運転期間延長なども検討
読売新聞 2022/8/24
経済産業省は、2023年夏以降に東京電力柏崎刈羽原子力発電所など国内の原発計7基の再稼働を目指す方針を24日、政府の会議で示す。すでに再稼働している10基と合わせて計17基を稼働する環境を整え、電力需給逼迫(ひっぱく)を緩和するとともに脱炭素を推進する。
脱炭素社会の実現に向けた対策を議論する「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」(議長=岸田首相)で表明する。
追加で再稼働を目指すのは、柏崎刈羽原発6、7号機のほか、東北電力女川原発2号機、関西電力高浜原発1、2号機、中国電力島根原発2号機、日本原子力発電東海第二原発の7基。
女川2号機と高浜1、2号機、島根2号機の4基は、既に地元同意を得ているため、安全対策工事などの着実な完了を目指す。柏崎刈羽など他の3基は地元同意に向け、国が前面に立って調整を進める。
経産省は、原発の再稼働に向け、関係者の総力を結集する政治決断が必要だと訴える考えだ。このほか、原則40年、最長60年となっている運転期間の延長や、核燃料サイクル整備の加速についても検討を求める。
日本は火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)や石炭など、化石燃料のほぼ全量を輸入している。ロシアのウクライナ侵略でエネルギー価格は世界的に高騰し、燃料費の上昇を通じて国民生活に影響が及んでいる。経産省は、原発1基を稼働させればLNG約100万トンの利用を減らせるとして、17基の稼働は約1・6兆円の「国富流出」を回避することにつながると試算する。
国内では、東日本大震災後に厳しくなった新規制基準に基づき、これまでに10基が再稼働している。ただ、テロ対策施設の完成の遅れなどから今年7月時点の稼働は5基にとどまっていた。岸田首相は今冬に最大9基の原発の稼働を進める方針を表明したが、すべて西日本に偏る。柏崎刈羽などが稼働すれば、より電力需給が厳しい東日本にとってメリットは大きい。
岸田首相は7月のGX実行会議の初会合で、原発や再生可能エネルギーについて、「政治の決断が求められる項目を明確に示してほしい」と関係省庁に求めていた。
政府のエネルギー基本計画は、総発電量に占める原子力の割合を30年度に20~22%に引き上げる方針を掲げる。経産省は今秋にも官民の緊急対応策をまとめる考えだ。20年代半ば以降、原発の再稼働をさらに加速することを狙う。