環境省は、絶滅危惧種のオジロワシなど希少な海ワシ類が風力発電施設に衝突する事故を防ぐための手引を6年ぶりに改定し、施設の立地条件について、営巣地から1キロは原則避け、同1~2キロは調査データと有識者の意見を踏まえて慎重に検討すべきだとしました。
海ワシ類が風力発電施設にぶつかる事故は03~21年度に計73件確認されています。
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風力発電、オジロワシなどの営巣地周辺は避けて…バードストライク防止手引きを改定
読売新聞 2022/8/12
環境省は、絶滅危惧種のオジロワシなど希少な海ワシ類が風力発電施設に衝突する事故「バードストライク」を防ぐための手引を6年ぶりに改定し、公表した。政府は風力発電を含む再生可能エネルギーの導入促進を掲げる一方、生物多様性を守る必要もあり、営巣地と施設との距離の目安などを新たに盛り込んだ。
手引によると、営巣地の中心から半径2キロは餌場との往復ルートだと指摘。施設の立地条件について、同1キロは原則避け、同1~2キロは調査データと有識者の意見を踏まえて慎重に検討すべきだとした。
手引では、事故が発生しやすい地形や事故の要因なども整理。海岸の切り立った崖は発電に適した風が吹くものの、海ワシ類が上昇気流に乗って飛んでくる可能性があると指摘した。
海ワシ類が風力発電施設にぶつかる事故は2003~21年度に計73件確認されており、このうち71件は北海道の事案だった。