2022年8月25日木曜日

原発再稼働、地元同意や国民同意が課題

 岸田首相は24日に首相官邸で開いたGX実行会議で、新に7基の原発の再稼働を目指すとしましたが、そのうちの東海第2原発と柏崎刈羽原発がまだ地元の同意が得られていません。新潟県の花角知事は、県が進める“3つの検証”の結果が出るまでは、再稼働の議論をしないと話していますが、3つの検証をとりまとめる総括委員会は、なぜか去年1月から開かれていません。まずはその総括委員会の行方が注目されます。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原発再稼働、地元同意や国民同意が課題
                             産経新聞 2022/8/24
岸田文雄首相は24日に首相官邸で開いたGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で、再稼働済みの原発10基に加え、7基の原発の再稼働を目指すとした。原子力規制委員会の新規制基準の審査に合格したにもかかわらず、再稼働していない原発を最大限活用する狙いだ。ただ、地元同意のめどが立たない原発も含まれる。
「地元の理解を得ることにも国が前面に立って取り組んでいきたい」。会議後、西村康稔経済産業相は報道陣の取材に強調した。
政府が追加で再稼働を目指すのは、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機▽日本原子力発電東海第2原発▽東北電力女川原発2号機▽関西電力高浜原発1、2号機▽中国電力島根原発2号機の計7基。このうち、特に東日本の柏崎刈羽、東海第2、女川の3原発が再稼働すれば、今年3月に東京、東北両電力管内で発令された電力需給逼迫(ひっぱく)警報のような事態回避にもつながりそうだ。ただ、3原発のうち、女川以外はいずれも地元の同意が得られていない。
柏崎刈羽は昨年、テロ対策の不備が明らかになり、核燃料の移動禁止命令を受けている。新潟県なども再稼働に同意していない。東海第2は一部の自治体の避難計画の策定が終わっておらず、こちらも地元同意のめどが立っていない。
また首相は、次世代型原発の建設を検討する方針を示し、原発の新増設は想定しないとした従来政策を転換させた。しかし、東京電力福島第1原発事故以降、原発の新増設や建て替えは、安全性に対する国民の懸念などへの配慮から具体的な議論が見送られてきたままで、国民の同意を得られるかは不透明だ。(永田岳彦)


【解説】来夏再稼働を目指す方針…柏崎刈羽原発再稼働に向けた今後の流れは?
                       NST新潟総合テレビ 2022/8/24
柏崎刈羽原発の再稼働に向けた、今後の流れを整理します。
現在も安全対策工事が進められている柏崎刈羽原発7号機では、去年10月から、原子力規制委員会による追加検査が行われています。
この追加検査について、規制委の更田委員長は「年内に判断を出せる方が好ましいと思っている」との見解を示しています。
仮に、規制委が追加検査を終え、東京電力に出している核燃料の移動を禁止する是正措置命令を解除した場合、7号機では燃料を装てんする検査に進むことになります。
原発を稼働する直前までの検査を行うということです。
その後に必要となるのが、県・柏崎市・刈羽村の「地元同意」です。
花角知事は、県が進める“3つの検証”の結果が出るまでは、再稼働の議論をしないと話していますが、3つの検証をとりまとめる総括委員会は、去年1月から開かれていません。
この総括委員会の行方も、今後の焦点となってきますが、政府はこの地元同意に向けて、前面に立って調整を進めるとしています。

政府が再稼働を目指す方針を示したことで、一気に、再稼働に向けた動きが加速しそうです。