2022年8月17日水曜日

島根原発不正入構 「子どもだまし」の偽造免許証を見破れず

 中国電力島根原発で5月、男が偽造した運転免許証を使って不正に入構した事件について松江地裁今月9日男に有罪判決を出しまし

 判決でその偽造は「子どもだまし」のレベルと指摘されました。これでは悪意を持った人物の入構を阻止することは出来ません。
 島根県原子力安全対策課は「規制庁にしっかりと検査してもらい、中電には県民の安全を考えて再発防止に取り組んでもらいたい」と求めています。検査結果の報告は早ければ17日に出されます。
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島根原発不正入構 松江地裁も「子どもだまし」とした偽造免許証見破れず
                            島根原発 2022/8/17
 中国電力島根原発(松江市)で5月、男が偽造した運転免許証を使って不正に入構した事件は、中電の不十分な管理体制を明らかにした。中電側は、今月9日に男に有罪判決を出した松江地裁が「子どもだまし」とした簡単な偽造を見破れなかった。原子力規制庁が事件の経緯などを検査中で、近く結果が出る可能性がある。有識者は「悪意を持った人物の入構を見落とす可能性がある」と対策強化の必要性を指摘する
 有印公文書偽造・同行使などの罪に問われた男の判決などによると、男は鳥の巣の撤去作業の下見のため、5月10日に島根原発に入構した。免許証の有効期限欄の「2021年(令和03年)」の「3」の文字の上に、手書きで「4」と書いた紙を貼ってコピー。コピーの有効期限欄を切って免許証に貼って偽造した。
 中電島根原子力本部によると、男は一時的な立ち入り者として事前に名前などを申請。入構時に警備員に免許証を見せ、作業して帰った。その後、入構をチェックする警備会社が免許証のコピーや書類を確認して西暦と和暦が一致しないと気付き、不正が発覚した。松江地裁は判決で「改変は一見して手書きと分かる」と稚拙な手口に触れた。
 同本部広報部は「当社の確認が不足していた。しっかり再発防止策を講じる」と言う。事件後、事前の公的身分証の確認▽警備関係者への教育▽入構時の手順書の改訂―をしたが、原子力規制庁の検査を受けている最中で「詳しい内容は話せない」とする。

 島根県原子力安全対策課は「規制当局にしっかりと検査してもらい、中電には県民の安全を考えて再発防止に取り組んでもらいたい」と求めている。規制庁による検査結果の報告は早ければ17日にある。
 原子力施設のリスク管理などを研究する東京都市大の牟田仁准教授(原子力安全工学)は、ロシアによるウクライナ侵攻で原発が標的となった点も踏まえ「核テロの可能性もある中、このくらいと軽く考えると脅威につながる。セキュリティー強化に加え、発電所関係者の安全意識を改善しなければならない」と話している。