2022年8月7日日曜日

ウクライナ原発砲撃「非常に懸念」 核災害の現実的リスク IAEA

 ロシアが要塞化しているザポロジエ原発に、先にウクライナ側がドローンで攻撃したことに続いて、6日には6発の砲撃が行われました。施設の一部が損傷しましたが、幸いに周囲の放射線レベルは上昇していないということです。

 ウクライナとロシアは互いに相手が攻撃したと非難していますが、ロシアが自分たちが要塞化しているザポロジエ原発を砲撃するのはあり得ないことです。
 万一重大な事故が起きればチェルノブイリ事故の時とは事情が一変しているので、早期収拾の可能性は皆無と思われます。被害が何処まで拡大するのか分かりません。
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ウクライナ原発砲撃「非常に懸念」 核災害の現実的リスク IAEA
                            時事通信 2022-08-07
【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は6日、ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポロジエ原発に砲撃が加えられた問題について「非常に懸念している」とする声明を発表した。ウクライナ国内外への脅威となる核災害の「現実的リスク」が示されたと警告し、「すべての陣営」に同原発周辺で最大限自制するよう訴えた。


原発敷地への砲弾6発 原子炉付近もとウクライナ
                             共同通信 2022/8/6
【キーウ共同】ロシアが占拠しているウクライナ南部ザポロジエ原発への5日の砲撃に関連し、原発の運転主体のウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは同日、ロシア側からの原発敷地内への砲撃は計6発で、計6基ある原子炉のうち1基付近にも飛来したと通信アプリで発表した。
 原発が立地するエネルゴダール市のオルロフ市長は5日、原発は稼働を続けているとし、放射性物質の飛散は確認されていないと通信アプリで明らかにした。
 タス通信によると、ロシア側が一方的に設置した「軍民行政府」の関係者は5日、ロシアのテレビ番組で原発を攻撃したのはウクライナ軍で、砲撃は3回あったと主張した。


最大規模原発に3回砲撃 「公然、大胆な犯罪」 ウクライナ大統領
                            時事通信 2022-08-06
【ワシントン時事】ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポロジエ原発に5日、少なくとも3回の砲撃があり、原子炉が設置されている発電区画付近に着弾した。死傷者はなく、放射能漏れも検出されていない。ゼレンスキー大統領は「原発への砲撃は公然かつ大胆な犯罪であり、テロ行為だ」とロシアを非難した。
 ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムによると、原発に対する砲撃で高圧送電線などが損傷した。安全のために原子炉の一つは緊急停止を余儀なくされた。 


南部のザポロジエ原発に砲撃 一部損傷、放射線上昇なし
                             共同通信 2022/8/6
【キーウ共同】ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは5日、ロシア軍が占拠しているウクライナ南部のザポロジエ原発に複数の砲撃があり、一部の装置や高圧送電線が損傷したと通信アプリで明らかにした。「放射性物質が飛散する危険性がある」と指摘したが、放射線量の上昇は観測されていないとした。
 タス通信によると、ロシア側が一方的に設置した「軍民行政府」はウクライナ側からの砲撃で原発構内で火災が発生したと発表した。エネルゴアトムはロシア軍が多連装ロケットシステムを使用して攻撃したと主張。双方が互いの攻撃だと非難している。


ロシア軍が原発を要塞化、ゼレンスキー氏「欧州全体を危機に直面させる状況に」
                          読売新聞 2022年8月6日
【キーウ=工藤彩香】ロシア軍が占拠を続けるウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所に5日、2度にわたって砲撃があり、双方が相手による攻撃だと互いに非難している。ウクライナ軍が南部で領土奪還に向けた反撃を強化するにつれ、露軍は欧州最大規模の同原発を要塞ようさい化して「核の盾」にしており、大惨事発生の危険性が増している。
 ウクライナの国営原子力企業「エネルゴアトム」はSNSで、原発が5日午後2時半頃と夕方、露軍の攻撃を受け、高圧線や一部施設が損傷したと発表。露軍が、原発に配備した地対空ミサイルで原発が立地するエネルホダル市の変電所なども破壊し、大規模な停電と断水が起きたと訴えた。
 6日の投稿では原発の状況に関し、「火災発生や放射性物質飛散の危険性が依然ある」と説明。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も5日夜のビデオ演説で「侵略者は欧州全体を危機に直面させる状況を再び作り出した」と非難した。