2022年8月29日月曜日

次世代型原発の建設 有数の地震大国であることを/公開で審議を 

 岸田首相が24日のGX実行会議で原発の再稼働だけでなく次世代原発の開発にまで言及したことについて、28日TBS系「サンデーモーニング」松原耕二キャスターは、「日本は原発の再稼働に固執したからこそ、海外に比べて再生エネルギーの開発が遅れたこれが電力不足の本質と思う」日本は世界有数の地震大国であることを忘れてはいけない」と指摘しました。
 同じく目加田説子中央大教授次世代型原発の建設を検討する方針について、「原発を考える上で最優先しなければいけないのは安全性だと思う。ウクライナを見ても有事の際には原発がターゲットになってしまうこともある。安全性を最優先にどこまで考慮したのか疑問」「この検討委員会全面的に非公開ということであるが、こういうことは広く開かれて議論できるようにすべき。それが311の教訓だったのではないか」と述べました。
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松原耕二キャスター 政府の原発新増設への方針転換に「世界有数の地震大国であることを忘れてはいけない」
                     スポーツニッポン 2022年8月28日
 TBSの松原耕二キャスターが28日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。政府が24日に将来的な電力の安定供給に向けて次世代型原発の建設を検討する方針を公表したことに言及した。
 東京電力福島第1原発事故以降、原発の新増設やリプレース(建て替え)は想定しないとした従来のエネルギー政策の基本方針の転換となる。最長60年としてきた原発の運転期間の延長も検討する。来年以降には、既に新規制基準の審査に合格している原発7基を追加で再稼働させることも目指す。脱炭素化を進めながら安定した電力供給を図るため、原発を推進する構え。
 松原氏は「大きな背景にはウクライナ(へのロシアの侵攻)で電力不足ということが叫ばれた。その中で“原発動かさなきゃだめだよね”という声が物凄く産業界含めて上がってたということが大きかったと思うんですが、ただ電力不足がなぜ起きたか、その本質を考えると、福島第1原発の後に1回全部止めた。でもせっかく(原発が)あるから動かそうよと。やっぱり原発だよねという考えが消えなかった。それに固執したからこそ再生エネルギーの開発が遅れたわけですよね、欧州に比べると大きく。これが電力不足の本質なんだと思う」と指摘した。
 そして、「それなのに今、原発に戻ろうよというのは議論のすり替えのように思えます。確かに原発廃炉のためにも原子力を残すことはとても大事だと思う。だからといって新設までということになると、これは原発事故を経験した前に戻ることだと思う」と言い、東日本大震災について触れ「私も取材しましたけど、本当に思い出すとあの時、東日本壊滅のほとんど手前まで本当に行ってるんですよね。本当によくぞそうならなかったと今でも思います。だから喉もと過ぎれば、ではなくて、日本は世界有数の地震大国であることを忘れてはいけないんだと思います」と自身の考えを述べた。


目加田説子教授 政府の原発新増設への方針転換に「検討委員会が非公開...広く開かれて議論できるように」
                     スポーツニッポン 2022年8月28日
 中央大学総合政策学部の目加田説子教授が28日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。政府が24日に将来的な電力の安定供給に向けて次世代型原発の建設を検討する方針を公表したことに言及した。
 東京電力福島第1原発事故以降、原発の新増設やリプレース(建て替え)は想定しないとした従来のエネルギー政策の基本方針の転換となる。最長60年としてきた原発の運転期間の延長も検討する。来年以降には、既に新規制基準の審査に合格している原発7基を追加で再稼働させることも目指す。脱炭素化を進めながら安定した電力供給を図るため、原発を推進する構え。
 目加田氏は「原発を考える上で最優先しなければいけないのは安全性だと思う。福島の原発の事故があって以降というのは、安全性を担保するために規制委員会が独立して安全性については判断するということを決めたにもかかわらず、こうやって政治的な判断で再稼働しますということを言ってしまうと、政治が規制委員会の判断に影響を及ぼしかねないという状況になります」と指摘。

 その上で「本当に安全性を考慮しているのか、最優先しているのかなと、今回のウクライナの原発を見ても、有事の際には原発がターゲットになってしまうってこともある。日本は災害国家で地震もあります。ですから安全性を最優先に本当にどこまで考慮したのかなと」と政府の方針転換に疑問を投げかけ、「この検討委員会についても全面的に非公開ということで、一般に議論の様子というのは知るすべがない。こういうことは広く開かれて議論できるようにすべき。それが3・11の教訓だったのではと思うので、それがどこまで生かされているんだろうと凄く疑問を抱きます」と自身の見解を述べた。