2022年8月12日金曜日

核ごみ問題、自分事に 福島県の高校生と寿都町長対話

 「未来につなぐまちづくり塾」に参加する高校生は11日、北海道寿都町で、核のごみの最終処分場の選定を巡り文献調査が進む町の現状について、片岡春雄町長らから話を聞きました。片岡町長は核のごみ問題について「原発のない地域が無関心で済む問題ではない」とし、日本全体で議論する必要性を訴え文献調査が始まったことで多くの反対意見が寄せられていることにも触れ「核のごみに関して町民が理解する場を設け、対話の輪を広げていくことが重要」と述べました。
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核ごみ問題、自分事に 交流事業、福島県の高校生と寿都町長対話
                            福島民友 2022/8/12
 NPO法人ハッピーロードネット(福島県広野町)の交流事業「未来につなぐまちづくり塾」に参加する高校生は11日、活動先の北海道寿都町(すっつちょう)で、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定を巡り文献調査が進む町の現状について、片岡春雄町長らから話を聞いた。参加者は長期化する核のごみ問題に「目を背けず自分事として捉えることが大切だ」と口をそろえた。
 片岡町長は「若い世代に先送りしないことがわれわれの責務」と文献調査に応募した理由を説明した上で、核のごみ問題について「原発のない地域が無関心で済む問題ではない」とし、日本全体で議論する必要性を訴えた。また文献調査が始まったことで多くの反対意見が寄せられていることにも触れ「核のごみに関して町民が理解する場を設け、対話の輪を広げていくことが重要」と述べた。
 一行は町内で食品の製造販売を手がけ、文献調査に反対する吉野寿彦さんからも話を聞いた。吉野さんは豊富な海洋資源や美しい自然環境など町の魅力を紹介、「町が最終処分場になれば風評被害は避けて通れない。観光客の減少にもつながる」と指摘した。文献調査では「(町が)説明責任を果たさずに話が進んだ感じがする」とし「われわれが納得するような説明をしてほしい」と求めた。

 安積高2年の坂本卓海さん(16)は最終処分場選定でさまざまな意見があることは理解ができるとし「正しい情報に触れて自分の考えを深めていくことが必要になる」と述べ、寿都高2年の沖田一心さん(17)は「町長の町を思う気持ちが伝わってきた。先入観に捉われずに判断していきたい」と話した。