2022年8月30日火曜日

30- 原子力規制委が浜岡原発視察 5時間にわたり施設内20ヵ所を

 29日午前、浜岡原発に9月から委員長に就任する原子力規制委の山中伸介委員や規制庁の幹部らが視察のため訪れました。中部電力は現在、浜岡原発3号機と4号機の再稼働を目指して安全審査を申請していて規制委が審査を進めていますが、今回の視察は審査に関係なく、現状把握と委員の知見を深めることを目的に行われたということです。

 これまで浜岡原発は震源地の真上に設置されているとして世界一危険な原発と言われていましたが、現在は敷地の下には活断層はないという見解だということです。
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国の原子力規制委員会が4年ぶりに浜岡原発視察 5時間にわたり施設内20ヵ所を 津波・地震対策については… 静岡・御前崎市
                          静岡朝日テレビ 2022/8/29(
 国の原子力規制委員会と規制庁の幹部らが静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所を視察しました。
根方ゆき乃記者:「2018年以来4年ぶりの視察が始まる。これから防波壁や原子炉建屋の安全対策などを確認して回る」
 29日午前、浜岡原発には9月から委員長に就任する原子力規制委員会の山中伸介委員や規制庁の幹部らが視察のため訪れました。
 中部電力は現在、浜岡原発3号機と4号機の再稼働を目指して安全審査を申請していて、規制委が審査を進めています。ただ、規制委によりますと、今回の視察は審査に関係なく、現状把握と委員の知見を深めることを目的に行われたということです。

海抜22メートルの防波壁
 まず、最初に視察したのは津波対策として設置されている海抜22メートルの防波壁です。
根方記者:「先月、中部電力が新たに示した津波の想定は227m。しかし、この防波壁は22mしかない。今後、新たな津波対策について議論になる見通し」
 今後の津波対策が焦点となるとみられる防波壁。7年前に18mの高さから22mに強化した経緯などが説明されました。
山中委員:「この部分は、後から作ったんですか?」
中部電力職員:「そうですね。こちらがですから、4メートル上げた時に同時にこちらの部分を補強した」
 さらに、発電所周辺の安全性を確認するため、敷地内の断層が見える場所を訪れると、職員から断層の特徴などの説明を受けました。
中部電力職員:「掘っていただくと、非常に固まってしっかりしているということが見ていただける」
 現在、安全審査の中で中部電力は敷地の下には活断層がないことを示していて、規制委による審査が行われています。
 また、来年9月に運転開始から30年を迎える4号機の建屋内の視察では、外部に気体を放出する装置の効果の解析結果について、委員が注文をつける場面もありました。
山中委員:「やはり実際、測ったよって言われると、あ、そうですかっていう。ある程度信用できるんですけど。解析だけだとちょっと、本当にそうなんかなっていう…」
 5時間にわたり、施設内のおよそ20ヵ所を視察した山中委員。浜岡原発の津波・地震対策については。
原子力規制委員会 山中伸介委員:「安定的な構造だという印象を持ちましたけれども、まあ実際に津波の高さが決まって、それからその図面を見させて頂いて、プラントのいろいろ審査ということになろうかと思いますので、この点については、軽々に今申し上げることができないかなと思います」
中部電力専務執行役員 伊原一郎原子力本部長:「今やっていただいている地震、津波、それから地質の審査ですね。ここしっかり事業者として対応していく。できるだけ早く進捗させていくという事で、その先にプラント側の審査がいつできるのかというのが見えてくる、ということだと理解してございます」


原子力規制が4年ぶりに浜岡原発を視察 次期委員長はどう見た? 安全審査8年目も進んだのは10項目中3項目
                         静岡放送(SBS) 2022/8/29
静岡県御前崎市の浜岡原発では8月29日、原子力規制委が4年ぶりに現地視察を行いました。政府の原発政策の転換が注目されるなか、9月から原子力規制委員長に就任するキーマンは、浜岡原発について何を語ったのでしょうか。
野田栞里記者
「原子力規制委員会の浜岡原発の視察。こちらの防波壁からスタートです」
8月29日は原子力規制委員長に9月から就任する山中伸介委員や原子力規制庁の職員が浜岡原発の地震・津波対策を確認しました。
福島第一原発の事故以降、中部電力が津波対策の柱として、工事を進めてきた防波壁の現在の高さは22m。中部電力は南海トラフの巨大地震に伴い、最大クラスの津波は現在の防波壁を超える227mに達すると想定していて、審査が続いています。
中部電力が再稼働を目指す浜岡原発3号機と4号機。2014年から始まった審査は8年目を迎えていますが、安全審査がおむね進んだのは10項目中、3項目です
原子力規制委 山中伸介委員
「(防波壁の)印象は強固な構造という印象。地震や津波関係の審査は、自然相手ということで未知の部分もある。実際に地面をみて判断する審査となり、判断が難しいサイトは審査に時間がかかる」
中部電力 伊原一郎原子力本部長
「質疑はあったが、基準については特になかった。われわれがしっかりとした説明資料を出していく。そのうえで、コメントや意見をしっかりと受け止めて、確実にだしていく」

岸田総理は先週、新たな原発の建設や原発の運転期間の延長を検討するよう指示。エネルギー政策の大転換が示唆される中、浜岡原発の再稼働をめぐる審査は、今後の原発政策を考える上でも重要なポイントとなります。