2022年12月15日木曜日

60年運転が認可された原発も10年目に再審査になると

 原子力規制委員会は14日の定例会合で、運転期間の現行ルールに基づき20年の延長認可を取った原発も、10年毎に審査するという新たなルール下で認可を取り直す必要がある、との見解を確認しました。

 現在、最長60年の延長認可を取っているのは関西電力の美浜原発3号機(福井県)と高浜原発1、2号機(同)、日本原子力発電東海第二原発(茨城県)の4基ですが、20年延長は無効となり、今後10年以内に再延長の可否を審査することになります。
 問題はどんな実効性のある審査が出来るのかですが・・・
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原発60年超運転、規制委員長「原子炉ごとに経年劣化の特徴」と厳しい審査内容になるとの見解
                            読売新聞 2022/12/14
 経済産業省が原子力発電所の「60年超」運転を検討していることを受け、原子力規制委員会は14日の定例会合で、運転期間の現行ルールに基づき延長認可を取った原発も、新たなルール下で認可を取り直す必要がある、との見解を確認した。
 原発の運転期間の現行ルールは「原則40年、最長60年」で、最長60年の延長認可を取っているのは、関西電力の美浜原発3号機(福井県)と高浜原発1、2号機(同)、日本原子力発電東海第二原発(茨城県)の4基。規制委は運転開始から30年以降10年以内ごとに延長を認可する新ルールの導入を検討しており、施行後は現行ルールが撤廃されるため、4基は取得済みの延長認可が無効になる。
 また、規制委は、運転開始から30~40年の運転中の原発についても、新ルールの施行日までに延長認可を取る必要があることを確認した。認可を取っていない場合は運転できなくなる。
 ただし、現行ルールでは30年時点で経年劣化の評価が行われているため、山中伸介委員長は会合後の記者会見で「(新ルール下で)認可されないことは想定していない」と説明。運転停止を求める事態は起きないとの見通しを示した。
 山中委員長はまた、新ルールでの60年時点の審査について「原子炉ごとに経年劣化の特徴が出てくる。炉ごとに必要な点検をすべきだ」と指摘。厳しい内容になるとの見解を示した。


運転30年超原発の停止想定せず 新制度移行で山中規制委員長
                           共同通信 2022/12/14
 原子力規制委員会の山中伸介委員長は14日の記者会見で、原発の運転開始後30年から劣化状況を確認する新しい認可制度に移行する場合に、既に30年を超えて運転中の原発に限っては、停止を求めるような事態は起きないとの認識を示した。
 山中氏は新制度での劣化確認に関し「これまで見ていなかったデータや検査方法も加えたプラスアルファの審査になる」と強調。一方、現行制度でも30年時点で経年劣化の評価が行われているため「(新制度下でも)認可されないことは想定してない。事業者にデータを追加で要求することはない」とも述べた。