2022年12月18日日曜日

除去土壌の再生利用 除染廃棄物の量を減らす必要性

 福島原発事故後 除染で取り除かれた土は現在中間貯蔵施設内に1400万m3東京ドーム11杯分貯蔵されており、政府は45年3月末までにそれを県外で処分すると約束しています。

 それに向けて除染土壌の再生利用についての実証事業が計画されていますが、既報のように他県の住民からは、実証試験そのものに反対の意向が表明されています。
    ⇒(12月17日)福島「除染土」再利用で住民から反対意見相次ぐ
 理由の一つには、放射線レベルが最大8000ベクレル/kgと高いことがあり、本来そうしたものを全国に分散させることは「放射能は拡散させない」という原則にも反しています。
 100ベクレル~8000ベクレル/kgの広範囲のレベルのものを混然としたまま保管したことは、事故後には生活空間から排除することが最優先だったので仕方がない側面がありますが、それを安易に全国にばら撒くことは後世に禍根を残すことになります。
 福島テレビが、「除去土壌の再生利用 除染廃棄物の量を減らす必要性 ~ 」とする記事を出しました。除去土壌の再生利用に関する概要が分かります。
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除去土壌の再生利用 除染廃棄物の量を減らす必要性 受け入れに理解を得られる国の説明を
                           福島テレビ 2022/12/16
<除去土壌の再生利用>
除去土壌とは除染で取り除かれた土で、福島県の双葉町と大熊町にある中間貯蔵施設で保管されている。
その量は約1400万立方メートル、東京ドームで約11杯分。
除去土壌などの除染廃棄物は、2045年3月末までに県外で最終処分すると法律で定めている。
そのため「再生利用」をして廃棄物の量を減らす必要がある。

<どのように再生利用するのか>
放射能濃度を測定して、石や樹木などの異物を取り除く。
さらに、利用方法に合わせて粒の大きさや水分を調整。
福島県内では、飯舘村長泥地区で盛り土に利用して、コメや花の栽培を行っているほか、南相馬市では盛り土に利用した場合の安全性の確認が行われてきた。
12月に初めて県外2カ所での再生利用が発表された。
埼玉県所沢市にある環境省の「環境調査研修所」では、広場の造成に使われる
もう1カ所は東京の「新宿御苑」で、一般の人が立ち入らない場所に、除去土壌で花壇を作り周辺の放射線量などを調べる
このほか、茨城県つくば市での利用も調整が進められている。
県外で馴染みのない「除去土壌」を受け入れてもらえるのか。
南相馬市で実証事業が進められた時も「大丈夫なのか」「反対してもしょうがない」といった声が聞かれ、住民全員が賛成していたとは言い難い状況だった。
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法律で定められた除染廃棄物の県外最終処分は、国民・県民との約束だ。
約束を守るため、除去土壌とはどんなものか、再生利用はなぜ必要なのか、周辺への影響はあるのか。環境省は丁寧に・分かりやすく説明して理解を広めていく必要がある。
理解した上での反対はあるだろう。
ただ、環境調査研修所の周辺で行ったインタビューでは「知らなかった」との声も聞かれた。
まずは知ってもらい理解してもらう。
国は広報に、より一層力を入れる必要があると感じる。