政府の避難指示の遅れによって高い放射線量の被ばくを余儀なくされたとして、飯舘村の元住民ら29人が5日、国と東電に計約2億1000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。
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福島の元住人ら原発事故で提訴 初の「避難指示遅れ」の責任問う
毎日新聞 2021年3月5日
東京電力福島第1原発事故で、政府の避難指示の遅れによって高い放射線量の被ばくを余儀なくされたとして、福島県飯舘村の12〜89歳の元住民ら29人が5日、国と東電に計約2億1000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。弁護団によると、原発事故による避難者の集団訴訟で、避難指示が遅れたことの法的責任が争われるのは初めてという。
飯舘村は大部分が原発から30キロ圏外にあるが、風向きや地形の関係で事故後に放射線量が上昇した。国は、事故から1カ月以上たった2011年4月22日になって村全域を計画的避難区域に指定した。
訴状によると、事故から4日後の11年3月15日午後6時20分ごろには、村役場付近で毎時約44・7マイクロシーベルトの放射線量を記録。年間に換算すると391・5ミリシーベルトになり、一般住民の年間被ばく線量の上限1ミリシーベルトを大きく上回ったという。原告側は、政府がこうした状況を認識しながら、住民への避難指示を怠ったと主張。被ばくにより将来重大な疾病が生じる危険を負い、恐怖や不安を感じていると訴えているほか、東電には「ふるさと喪失慰謝料」も請求している。
「避難指示遅れ被ばく」と提訴 福島・飯舘村29人、国と東電に
共同通信 2021/3/5
東京電力福島第1原発事故で被ばくしたのは避難指示の遅れが原因などとして、福島県飯舘村から県内に避難した12~89歳の男女29人が5日、国と東電に計2億円余りの損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、国は原発事故後の2011年3月15日、飯舘村の一部を含む20~30キロ圏の住民らに屋内退避を指示。同4月22日、村を「計画的避難区域」とし、おおむね1カ月間で計画的に避難するよう指示した。
原告側は、村役場周辺で高い放射線量が観測された3月15日の段階で「国が避難指示を出すべきだったのに怠った」と指摘した。