2021年3月21日日曜日

女川原発再稼働に疑問符 東北の反原発関係者

 石巻市の市民団体「女川原発の避難計画を考える会」は、東海第二原発の再稼働を認めないとする18日の水戸地裁の判決は、「避難計画の実効性と再稼働の可否を関連付けて判断した意義のあるもの」であるとともに極めて常識的な判断でもあると強調しました。
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         (3月19日)東海第二原発 再稼働認めない判決 水戸地裁
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女川原発再稼働に疑問符 東北の反原発関係者
                        河北新報 2021年03月19日
 日本原子力発電東海第2原発(茨城県)の運転を認めなかった18日の水戸地裁判決を受け、反原発を訴える東北の関係者は「東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、同県石巻市)の再稼働にも疑問を投げ掛ける画期的な判断だ」と評価した。
 石巻市の市民団体「女川原発の避難計画を考える会」の原伸雄代表(78)=石巻市=は「避難計画の実効性と再稼働の可否を関連付けて判断した、意義のある判決。重大事故時に住民の生命を守る最後のとりでとなるのは、実効性のある避難計画だ」と訴える。
 東海第2は30キロ圏内14市町村に全国最多の94万人余りが住む。水戸地裁は、茨城県や5自治体の避難計画を検討し、段階的避難など防護措置のための計画や体制が不十分と捉えた。
 市民団体「女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション」の多々良哲世話人(62)=仙台市=は「極めて常識的な判断」と強調する。昨年11月に女川2号機の再稼働に同意した村井嘉浩宮城県知事が「再稼働と避難計画はリンクしない」と述べたことに触れ、「裁判所が知事の論理を否定した」と指摘した。
 市民団体「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」代表の浅石紘爾弁護士(80)=八戸市=は「東京電力福島第1原発事故以降、司法が原子力に懐疑的な見方を示し、危険性を実体審理するようになった」と指摘する。「都市圏の原発に対する判断は、原子力施設が集中立地する青森県にも共通する」と話した。
 東北電は「当事者ではなく判決の詳細を把握しておらず、コメントは控える」とした上で「女川2号機などについて今後もしっかりと審査対応を行うとともに、安全性向上に努める」との談話を出した。