四国電力の地震や火山に対する安全性の評価が不合理であるとして伊方原発3号機の運転差し止めを命じた昨年1月の広島高裁の仮処分決定を不服とした四国電の申し立てによる異議審で、広島高裁(の別の裁判長)は18日、異議を認め運転を容認する決定を下しました。
運転差し止めを申し立てた住民側は20日、最高裁への抗告を断念する方針を固めました。最高裁に抗告して異議審決定が追認された場合、各地の同種裁判に悪影響を与える恐れがあると判断したものです。
東京新聞の二つの記事を紹介します。
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(20.1.18)伊方原発3号機 広島高裁が運転認めない画期的な仮処分決定
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決定確定なら11月末に運転再開
共同通信 2021/3/20
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を容認した18日の広島高裁異議審決定について、運転差し止めを申し立てた住民側は20日、最高裁への抗告を断念する方針を固めた。異議審決定が確定すれば、今年11月末に3号機の営業運転が再開する見通し。
関係者によると、住民側弁護団は20日午前、ウェブ会議で今後の対応を話し合った。抗告して最高裁が異議審決定を追認した場合、各地の同種裁判に悪影響を与える恐れがあると判断。抗告せず、山口地裁岩国支部で係争中の本訴に専念することを確認したという。
伊方原発3号機の運転を容認 広島高裁、四国電力の異議認める
共同通信 2021/3/18
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを命じた昨年1月の広島高裁の仮処分決定を不服とした四国電の申し立てによる異議審で、広島高裁(横溝邦彦裁判長)は18日、異議を認め運転を容認する決定をした。四国電の地震や火山に対する安全性の評価は不合理ではないと判断し、昨年の差し止め決定を取り消した。
横溝裁判長は決定理由で、四国電が実施した海上音波探査の結果「原発敷地2キロ以内に活断層はない」とした評価や、基準地震動の算定は不合理ではないと指摘。阿蘇カルデラが大規模噴火を起こす危険性については「可能性が具体的に高いとは認められない」とした。