原発の安全性に関する新潟県独自の「三つの検証」の結果をまとめる検証総括委員会の委員長の池内了・名古屋大名誉教授が27日、新潟市で講演し、原発については事故の影響が長期に及ぶことなどを踏まえ、「失敗したところを直せば動かしていいのかという議論はあると思う」と話しました。
会場から、再稼働問題に関連し見解を求められると「多少微妙な立場にいる」と述べ、具体的な言及を避けました。
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「原子力研究 多くの矛盾」 新潟県検証総括委員長・池内氏が講演
新潟日報 2021/03/28
原発の安全性に関する新潟県独自の「三つの検証」の結果をまとめる検証総括委員会の委員長の池内了・名古屋大名誉教授が27日、新潟市中央区で講演した。日本の原子力研究について「多くの問題点を残してきた。最初は夢の技術として受け入れられてきたが、多くの矛盾を抱えていることが明白となった」と述べた。
池内氏は県内の研究者らが参加した学問の自由を考えるシンポジウムに招かれ、講演とパネルディスカッションで原子力技術などについて語った。
パネルディスカッションで池内氏は、一般的にほとんどの技術に対し、失敗を次に生かす「失敗学」が適用できるが、原発については事故の影響が長期に及ぶことなどを踏まえ、「失敗したところを直せば動かしていいのかという議論はあると思う」と話した。
池内氏は、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題に関わる自身の過去の発言を巡り、新潟県の花角英世知事から慎重な言動を求められていた。池内氏はこの日、再稼働問題に関連し、会場から見解を求められると「多少微妙な立場にいる」と述べ、具体的な言及を避けた。