ジャーナリストの西谷文和さんが主宰する「路上のラジオ」のファンクラブニュース(2月3日号)に「小出先生に聞く その1 原発がCO2を出さないって本当?」が載りましたので紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小出先生に聞く その1 原発がCO2を出さないって本当?
― 政府や電力会社は「原発はCO2出さない」と宣伝してきましたが、これは本当ですか?
小出 本当ではありません。かなり昔はそう言っていたのですが、途中からちょっと変わって「原発は発電時には出さない」と言い換えた。なぜか? ウランの核分裂反応では出さないが、原子炉を建造するときも、ウラン鉱山からウランを掘り出す時も膨大なC02を出します。核のゴミを始末するときにも出してしまう。つまり原子力を使おうとすれば、そこら中でC02を膨大に出してしまうのです。なので「原発はC02を出さない」という宣伝は最初からウソだったわけです。しかし原子カマフィアたちはなんとか言いくるめようとして「発電時には」という言葉を付け加えたわけです。
― イメージって恐ろしくて、あれだけ大量のCMが流れてしまうと、なんとなく石炭火力はたくさん出すけど、原発はゼロなんだと。
小出 そう感じる人は多いでしょう。四六時中、そういう宣伝をしてきたわけです。原子カマフィアたちは「原発は石炭火力の50分の1しかC02を出さない」と言います。なぜ彼らがこう主張するかと言いますと、彼らの希望するモデルを作って、ウラン鉱山ではこれくらいしか出しません、燃料加工の時もそれほど出ません、原発運転時もそれほど電気を使いません、そして原発は事故など起こしません(苦笑)、と。仮に原発が事故なく安全に止まったとしても、出てきた核のゴミの問題があります。彼らは「地面の下に埋め捨てしまえばそれでおしまいです」といいますが、それは「願望のモデル」に従って計算しただけのことなのです。核のゴミは猛毒なので、埋めたとしても10万年、100万年もの間、お守りをしなければならない。その管理のためにどれだけのエネルギーが必要なのか、どれだけのC02を排出するのか、もう誰もわからない状態になってしまったというのが現実です。結論を述べると、もしC02が地球温暖化の原因だとすれば、原子力だけはやってはいけない、ということになると思います。