原子力規制委員会は23日、柏崎刈羽原発でテロなどを防ぐためのセキュリティー対策に不備があった問題で、対策の不備が原子炉等規制法に違反しているとして、行政処分する方針を決めました。
規制委は所長の下にいるセキュリティー対応の責任者を交代させたり、同原発の設置許可を取り消したりするなどの5通りの処分案を検討しており、24日の規制委定例会で具体策を決める予定です。
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東電に行政処分へ 柏崎刈羽原発の不備で 原子力規制委員会
毎日新聞 2021年3月23日
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロなどを防ぐためのセキュリティー対策に不備があった問題で、原子力規制委員会は23日、対策の不備が原子炉等規制法に違反しているとして、行政処分する方針を決めた。具体的な処分内容は、24日の規制委定例会で決める予定だ。
規制委などによると、同原発では2020年3月から約1年間、敷地内への侵入者を検知するための機器16個が故障し、代わりの設備10個も30日以上、十分機能していなかった。このため、規制委が核物質の防護対策で、4段階評価の中の「最悪のレベル」と評価していた。
さらに、18年1月〜20年3月にも同様の不備があったほか、20年9月には所員が同僚のIDカードを無断で持ち出して中央制御室に不正に入室していた。
こうした状況を受け、規制委は原子炉等規制法に基づく行政処分により、東電に改善させる必要があると判断した。規制委は5通りの処分案を検討しており、所長の下にいるセキュリティー対応の責任者を交代させたり、同原発の設置許可を取り消したりすることを挙げている。
24日の規制委定例会では、同原発でのこれまでの問題が5通りの処分のどれに該当するのかを議論する。
東電の担当者は「今後、規制委の対応を確認していきたい」と話している。【塚本恒】