2025年2月6日木曜日

原発事故と地震などの「複合災害」が起きたら屋内退避どうする? 原子力規制委員会が報告書案、具体性薄く…

 新潟日報に掲題の記事が載りました。
 原子力規制委5日、原発事故時の屋内退避の運用を見直す検討チームの会合を開き、自然災害と原発事故が重なる複合災害対策への提案を盛り込んだ報告書案を公表しました。新潟日報によると、提案は従来の見解を示すにとどまり具体性の乏しいものということです。これでは懸案の「屋内退避は可能なのか」についてはどのようにまとまるのか、単に問題点として言及するだけで終るのかは最終的な報告書を見ないと分かりません。
 これまで複合災害を対象外として放置してきた規制委の責任は大きいと言えます。
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原発事故と地震などの「複合災害」が起きたら屋内退避どうする? 原子力規制委員会が報告書案、具体性薄く
                          新潟日報 2025/2/6 5:00
 原子力規制委員会は2月5日、原発事故時の屋内退避の運用を見直す検討チームの会合を開き、自然災害と原発事故が重なる複合災害対策への提案を盛り込んだ報告書案を公表した。ただ提案は従来の見解を示すにとどまり、内容は具体性の乏しいものとなった。このほか住民と自治体向けの具体的な運用方針を盛り込んだ質疑応答集(Q&A)も加えた。今後、改めて原発周辺自治体から意見を募り、3月に最終的な報告書をまとめる。
原発事故と地震などの「複合災害」対策を提案へ
原発事故時の「屋内退避」は現実的か?すれ違う自治体と原子力規制委員会
倒壊するかもしれない家で「屋内退避」…原発事故と地震が重なる困難さ浮き彫りに 避難計画の“前提”は変わる?

 報告書案は、自宅などが倒壊した場合の退避先の耐震化や避難路整備など自然災害対策の強化が原子力災害対策にも大きく寄与すると指摘。「(相互の)連携を強化することが極めて重要だ」と明示した。
 検討チームはこれまで「自然災害の防災は(所管の)範疇(はんちゅう)外」であることを理由に...
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原発事故の屋内退避「3日間」が妥当…原子力規制委検討チームが議論、指定避難所の耐震化など指摘
                            読売新聞 2025/2/5
 原子力発電所の事故時に半径5~30キロ・メートル圏内の住民が行う屋内退避について、原子力規制委員会の検討チームが5日、退避期間の目安を「3日間」とする報告書案を議論した。自然災害と原子力災害が重なる「複合災害」への対策強化の必要性なども盛り込み、今年3月末までに最終報告書を取りまとめる方針となった
 原子力災害時の国の対策指針では、原発から半径5~30キロ・メートル圏内を「緊急時防護措置準備区域」(UPZ)とし、住民は自宅や避難所に屋内退避することを定めている。
 報告書案では、放射性物質の放出が十分に抑えられることを前提に、屋内退避を実施する期間は「3日間」が妥当と明記した。原子炉施設の状態を確認するのに数日間が必要なことや、国の防災基本計画で最低3日間の食料備蓄を呼びかけていることを理由に挙げた。それ以降は、屋内退避の継続が可能かを随時判断していく必要があるとした。

 また、昨年1月の能登半島地震で、土砂崩れなどによる道路の寸断や集落の孤立が起きたことを踏まえ、複合災害への対応も課題とした。放射性物質が放出された場合に逃げ込む「指定避難所」の耐震化や災害に強い避難経路の維持・整備の必要性を指摘している。
 このほか、被災者が食料を消費した後に屋内退避が始まる場合も想定し、「屋内退避の継続が可能であるかを(国が)判断する必要がある」と言及している。

 5日に開催された検討チームの会合では、メンバーから「(UPZで)避難は例外で、屋内退避が原則であることが伝わりづらいのでは」という意見があった。このため文章の修正やUPZ内の自治体などへの意見聴取を実施したうえで、最終報告書をまとめることになった。


屋内退避運用、見直し案公表 原発事故時、目安は3日間 一時外出も可能・規制委
                            時事通信 2025/2/5
 原子力規制委員会の専門家チームは5日、原発事故時の屋内退避運用見直しに関する報告書案を公表した。
 退避期間の目安を3日間とした上で、物資の受け取りや通院などの一時外出は可能とした。昨年1月の能登半島地震で家屋の倒壊や集落の孤立が相次いだことを受け、「自然災害との連携強化が極めて重要」と指摘した。
 報告書案は、国の防災基本計画に基づき屋内退避期間の目安を3日間と設定。昨年10月に示した中間まとめに対する自治体からの意見を受け、3日間とした根拠や一時外出の考え方などを加筆した。今後、自治体からさらに意見を募った上で今年3月までに取りまとめる方針。