宮城県の仙南地域広域行政事務組合は16日、角田市で福島原発事故で汚染された廃棄物(1kgグラム当たり8000ベクレル以下)の本焼却に向けた住民説明会を開きました。
組合は、昨年3~11月に同センターで実施した試験焼却の結果について、周辺地域の空間線量や煙突の排ガス、土壌などの放射性セシウム濃度が全て基準値以下だったとして「安全に焼却できると判断した」と強調しました。住民からはセシウム吸引により「内部被ばくの危険性が高まる」などと、健康被害を心配する声が相次ぎました。
周辺地域の空間線量や土壌などの放射性セシウム濃度の調査は間接的なもので、住民側の測定結果と反します。
いずれにしても煙道排ガス中からバッグフィルターでセシウムを除去できる機構が明確にならなければ住民は納得することができません。
排ガス中のセシウム濃度の測定も、単なるスポット・サンプリング的なものでは説得力はなく、積算的(集積的)な測定をして無害を証明する必要があります。
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<汚染廃本焼却> 仙南広域組合が説明会を実施 住民からは不安の声
河北新報 2019年3月18日
仙南2市7町でつくる仙南地域広域行政事務組合は16日、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物の本焼却に向けた住民説明会を、角田市の仙南クリーンセンターで開いた。試験焼却で問題がなかったとして理解を求めたが、住民からはなおも健康被害を心配する声が相次いだ。
組合の担当者は、昨年3~11月に同センターで実施した試験焼却の内容を説明。周辺地域の空間線量や煙突の排ガス、土壌などの放射性セシウム濃度が全て基準値以下だったとして「安全に焼却できると判断した」と強調した。
組合は、本焼却を5月中旬に始め、3年10カ月近くにわたり、1日当たり1~10トンの汚染廃棄物を燃やす方針。排ガスの放射性セシウム濃度などが基準値を超えた場合、焼却を直ちに中断し、原因を検証する考えも示した。
住民の一人は「試験焼却で燃やす汚染廃棄物は1日1トンだったのに、本焼却では最大10トンになる。内部被ばくの危険性が高まる」と不安を訴えた。別の住民は「汚染廃棄物は焼却ではなく、安全な場所に移して保管するべきだ」と主張した。
組合理事長の滝口茂柴田町長は「試験焼却のデータを示すことで理解を得られたのではないか。本焼却はこれまで以上に安全に気を付けたい」と語った。
大友喜助角田市長は「地元には運搬の安全確保などの要望があるが、反対はない。安全に配慮しながら保管農家の負担を軽減する」と述べた。山田裕一白石市長は「説明会で示された不安感を重く受け止め、情報をオープンにしながら安全性に理解を得られるよう努めたい」と話した。