東海第二原発の再稼働の是非について、市民団体「いばらき原発県民投票の会」が27日、住民の意思を示すための県民投票条例の制定を目指し、大井川和彦知事に直接請求する方針を発表しました。
条例案を9月に県へ提出した後、地方自治法に基づき2カ月間、署名運動を展開し、法定の最低ラインである有権者の2%を大きく上回る5%以上を集めることを目標にしています。
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東海第二「再稼働」県民投票を 市民団体、直接請求へ署名活動
東京新聞 2019年3月28日
東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働の是非について、市民団体「いばらき原発県民投票の会」が二十七日、県庁で記者会見し、住民の意思を示すための県民投票条例の制定を目指し、大井川和彦知事に直接請求する方針を発表した。この日から、請求に必要な署名を集める「実動部隊」となる受任者の募集を開始し、幅広い協力を呼びかけている。(越田普之)
会は、昨年四月に「原発県民投票を考える会」として発足。直接請求に関する勉強会を開いてきた。東海第二は、県民の生活に重大な影響を及ぼすことから、県民投票が必要だとの結論に達し、今月、会を組織変更し請求のための署名を集めることを決めた。
居住する各市町村で署名集めを担当する受任者は、会のホームページやファクスで申し込みを受け付ける。目標は七千人で、期限を設けずに募集する。
県民投票の対象は東海第二の再稼働是非に限定する方針。条例案を九月に県へ提出した後、地方自治法に基づき二カ月間、署名運動を展開する。有権者の2%の署名で足りるが、会は5%以上を集めて県民の関心の高さを示したい考えだ。必要数を集めることができた場合、県議会で審議の上、採決となる。
共同代表の一人で、ひたちなか市の鵜沢恵一さん(59)は「県議選でも、多くの候補が再稼働への賛否を明らかにしないまま終わってしまった」と指摘。再稼働について、県民が意思表示できる機会を設けるべきだと訴える。
原発に関する県民投票条例案は、東京電力福島第一原発事故後に静岡や新潟、宮城県議会などに提出されたが、いずれも否決されておりハードルは高い。
この点について、共同代表でつくば市の徳田太郎さん(45)は「かなり厳しいが、そこは署名の数や世論の高まりによって十分に可能性がある」と力を込める。また、大井川知事が「県民投票も選択肢の一つ」と語っていることにも触れ「賛同いただけると信じている」と語った。
署名運動受任者の申し込みはホームページ(http://ibarakitohyo.net/)から。ファクスは029(307)4182。問い合わせは=電090(4706)2363=へ。
◆原電が巡回説明会 15市町村、来月から
日本原子力発電(原電)は4月23日から6月8日まで、東海第二原発の再稼働に向けた事故対策や工事の概要を主なテーマに、周辺の15市町村で巡回説明会を開く。
説明会は、原子力規制委員会に新規制基準に基づく審査を申請して以来、毎年企画されている。昨年は2月から3月にかけ、計25回開かれた。
今年は全20回の予定。事前の申し込みは不要。会場や日時は原電のホームページに掲載されている。(越田普之)