2019年3月14日木曜日

除染で“利益率”5割超 国民が負担する除染費3兆円の闇

 FNNプライムニュース12日に報じたところによると、福島県いわき市にある従業員およそ100人の除染会社は、除染や関連工事を大手ゼネコン清水建設から請け負い粗利益が2014年からの3年間で142億円売上に対する利益率が常に5割を超えていました。また役員8人の役員報酬がこの間77億円に上り、粗利益の半分以上を占めていました。
 
 この極めて高い利益率のカラクリは下記のようなものです。
 同企業は、元請けの清水建設の幹部との結びつき独占的に1次下請けに入ることができました。
 通常、1次下請が受け取った金は、実際に実務を行う5次下請まで3つのトンネル会社を通して渡ってゆくので、末端の5次下請には1次下請が受け取る額の半分以下の金しか渡りません。しかし同企業は、いきなり実務を行う(5次下請)業者に直に発注することで、3つのトンネル会社の利益を独占することができた結果、法外な利益が獲得できたのでした。逆の言い方をすると同企業には、中間の3つのトンネル会社を飛ばす力があったということです。
 
 税金や電気料で賄われる除染費は、原子力ムラのメンバーである元請の清水建設以下、いわば寄生的な企業に「手数料の名目?」でふんだんに分配されたのちに、ようやく実務業者に渡るわけです。この実態については経産省と東電は承知している筈ですが、こうした中間搾取を止めさせる動きは一向に起きません。何とも腹の立つ話です。
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お金ならなんぼでもある」除染で“利益率”5割超…
    “国民負担”3兆円の闇
FNN プライムニュース 2019年3月12日
役員報酬77億円…従業員100人の除染会社
福島第一原発の爆発事故から3月12日で8年…
放射性物質を取り除く除染作業は今も続いているが、一部の除染事業の不透明な実態をFNNは報道してきた。
今回、福島県にある除染会社の、売上に対する利益率が継続的に5割を超える極めて高い利益率だったことが新たに分かった。
これまでに約3兆円が投じられた除染費用が大幅に減らせていた可能性が浮上している。
 
会社幹部「お金ならなんぼでもある」
福島県いわき市にある従業員およそ100人の除染会社
除染や関連工事を大手ゼネコン清水建設から請け負い巨額の利益を得ていた。
今回、福島県への情報公開請求で、この会社の粗利益が2014年からの3年間で142億円に上り、売上に対する利益率がいずれの年も5割を超えていたことが新たに分かった。
 
さらに関係者への取材で代表ら役員8人の役員報酬が3年間で77億円に上り、粗利益の半分以上を占めていたことも分かった。
役員報酬の水準は、規模が100倍の売上高1兆円以上の大企業の社長でも1億円程度に留まっていて、異例の高額となっている。
 
この除染会社で働いていた作業員:(会社幹部は)お金ならなんぼでもあると言ってましたから。幹部数名は高級車を買ってもらってましたから。
 
元請け幹部と結びつき独占的に1次下請け受注
この極めて高い利益率のカラクリは…
関係者によると、この会社は、元請けの清水建設の幹部との結びつきを強めることなどで独占的に1次下請けに入っていたとみられる。
除染工事は一般的に元請けから繰り返し下請けに出され、各会社が利益を抜いていく。
 
しかし、この会社は下請けへの発言力を背景に下請けの階層を減らし、末端が受け取るレベルの金額を2次の下請けに支払うことなどで、利益を独占したとみられる。
 
この除染会社で働いていた作業員:元請けさんと仲がいいから会社はなんぼでも人(作業員)が入れられると。(2次下請けに出す)一日の単価が安いですね。(他社と比べて)少なくとも5000円は違いますね。
 
除染を主導する環境省「法令に従い適切」
原発事故からこれまでに投じられた除染費用は2兆8000億円。
それぞれの事業で実態にあった費用の算出が行われていれば大幅に減らせた可能性がある。
しかし、件の除染会社は取材に応じていない。
また、除染を主導する環境省は「法令に従い適切に発注している」とコメントしている。
 
原発事故から8年…
3兆円に上る除染費用のうち、いったいいくらが実際に使われ、いくらが業者のフトコロに入ったのか?
国民が負担するからこそ検証が必要だ。