福島原発事故で神奈川県に避難した60世帯175人が、国と東電に計約54億円の損害賠償を求めた訴訟で、国と東電は5日、両者に計約4億1900万円の支払いを命じた一審横浜地裁判決を不服として東京高裁に控訴しました。
賠償が認められなかったり、認められた賠償額の水準が不十分とする原告141人も同日控訴しました。
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原発集団訴訟 被告の国と東電 原告の一部 双方が控訴
NHK NEWS WEB 2019年3月5日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、神奈川県に避難した住民などが生活の基盤を失い精神的な苦痛を受けたと訴えた集団訴訟で、合わせて4億円を超える賠償を命じられた横浜地方裁判所の判決を不服として、被告の国と東京電力、それに原告の一部の双方が控訴しました。
福島第一原発の事故で福島県から神奈川県に避難するなどした60世帯175人は、生活の基盤を失い精神的な苦痛を受けたとして、国と東京電力に慰謝料などとして総額およそ54億円の賠償を求めました。
横浜地方裁判所は先月20日の判決で国と東京電力に対し、原告のうち152人に合わせて4億1900万円余りを賠償するよう命じる判決を言い渡しました。
この判決を不服として、国と東京電力は5日控訴しました。
また、原告のうち141人も賠償が認められなかったり、認められた賠償額の水準が不十分だったりして不服があるとして控訴しました。
福島の原発事故をめぐり国と東京電力を相手取った集団訴訟は各地で起こされ、おととし以降、今回を除いて5件の1審判決が言い渡されていますが、いずれも2審で争われることになっていて、各地の高裁がどう判断するかが今後の焦点です。