福島原発事故から8年が経過しましたが、復興は遅々として進まず、まさにその途上にあります。それにもかかわらず政府が2020年末で復興庁を廃止するのは、フクシマは復興したという虚偽の印象を与えようとするものです。
福島民報が行った福島県内59市町村の首長を対象にしたアンケートでは、「単独の省庁として維持し、担当大臣を置く」との回答が43人(72・9%)と圧倒的で、全県的に国による復興支援の体制の維持を求める声が上がりました。極めて当然の話です。
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「単独省庁で担当相」72・9% 復興庁後継組織の在り方
県内市町村長アンケート
福島民報 2019年3月11日
福島民報社は東日本大震災、東京電力福島第一原発事故の発生から八年に合わせ、県内五十九市町村の首長を対象に復興に関するアンケートを実施した。二〇二〇年度末での復興庁の廃止を控え、政府・与党で議論が進む同庁の後継組織の在り方への考えを聞いたところ、「単独の省庁として維持し、担当大臣を置く」との回答が四十三人(72・9%)で最も多く、全県的に国による復興支援の体制の維持を求める声が上がった。
アンケートは二月二十二日から三月七日にかけて実施し、首長全員から回答を得た。復興庁の後継組織への考えについての回答は【表】(添付できないため省略)の通り。
「単独の省庁として維持し、担当大臣を置く」の回答については、原発事故により避難区域が設定された十二市町村の首長全員が求めた。浪江町の吉田数博町長は「これまで復興庁は有効に機能してきた。今後も同様の権限・機能の維持を望む」と訴えた。中通り、会津からも風評対策などで担当大臣がリーダーシップを発揮するべきなどの意見が上がった。
「本県の復興と原発事故対応に特化した単独省庁に改編する」は九人(15・3%)。桑折町の高橋宣博町長は「原発事故に起因する問題を二〇二〇年度末までに解消することは困難」とし、地震と津波、原発事故、風評といった複合災害に遭った本県への配慮を求めた。
「内閣府の外局にして担当大臣を配置」は五人(8・5%)だった。いわき市の清水敏男市長は現体制の維持や本県への特化などは困難だと指摘し「担当大臣の指揮の下、省庁横断的な復興施策などができる統括組織の継続が必要」とした。
政府は八日の閣議で復興基本方針を改定し、復興庁の後継組織設置を初めて明記した。今後は自民、公明両党による二〇二一年度以降の被災自治体への財政支援の継続や復興庁の後継組織の具体的な在り方などを盛り込む政府への第八次提言が焦点になるとみられる。