福島県大熊町でナシなどを栽培した農家の男性らが田畑や果樹などに対する放射能による損害賠償計3億346万円を求めた訴訟の判決で、福島地裁いわき支部は14日、要求の約一割に当たる計3012万円の支払いを東電に命じました。
判決は主に畑など約４･３ヘクタールの土地価格を評価したもので、宅地見込み地に当たるとの原告の主張については、一部を除いて認めませんでした。
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＜原発事故＞大熊の果樹園被害 東電に賠償命令 福島地裁いわき支部
河北新報 2019年03月15日
東京電力福島第１原発事故で全町避難する福島県大熊町でナシなどを栽培した農家の男性（８４）らが田畑や果樹などに対する損害賠償計３億３４６万円を求めた訴訟の判決で、福島地裁いわき支部は１４日、計３０１２万円の支払いを東電に命じた。
判決は鑑定などを基に、畑など約４．３ヘクタールの土地価格を評価した。名島亨卓裁判長は「帰還困難区域に指定され、現在は全く使用できず無価値になった」と指摘し、評価額を損害額と認定した。果樹や果樹棚についての賠償も一部認めた。
土地が周辺地域の状況などから宅地見込み地に当たるとの原告の主張については、一部を除いて認めなかった。
賠償額は、原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介手続き（ＡＤＲ）により、東電が既に支払った額を損害額から差し引いた。
