2021年11月26日金曜日

凍土遮水壁の温度上昇が16℃に

 東電の発表によると、凍土壁の地下25メートルの温度は通常マイナス10度以下ですが、16まで上昇していたということです(多分当初から凍土壁内に設置されていたセンサーで測定されたものと思います)。これでは凍土ではないので遮水は出来ません。

 8月から起きているというので早く凍土が破壊された範囲の全体像や原因を知りたいものです。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
凍土壁地下に水面確認 福島第1原発 温度上昇、一部融解か
                         河北新報 2021年11月26日
 東京電力は25日、福島第1原発の4号機建屋周辺の「凍土遮水壁」で見つかった局所的な温度上昇の原因調査で、凍土壁の地下2・5メートル付近に地下水面を確認したと発表した。何らかの原因で地下の水の流れに変化が起き、地中温度が上昇した可能性がある。
 凍土遮水壁は汚染水増加の原因となる地下水の流入を防ぐ設備で、局所的な温度上昇は8月下旬に始まった。
 地下水面は15日から実施していた掘削調査で見つけた。凍土壁の地下2・5メートルの温度は通常、マイナス10度以下だが、21日時点で16度あった。周辺が融解状態となり、凍土壁の一部が薄くなっているとみられる。
 水がどこから流れてきているのかは不明。東電は12月初旬にも凍土壁の縁側の地中に銅板を埋め込み、止水できるかどうかを確かめる。壁の内側の地下の調査では水の層は見つかっておらず、現時点で遮水機能は維持できている。
 これとは別に、第1原発1号機の原子炉格納容器内部の調査について、来年1月中旬から水中ロボットを順次投入する詳細計画も明らかにした。
 約7カ月間かけて格納容器の底に堆積する溶け落ちた核燃料(デブリ)の状態をカメラで確認したり、堆積物のサンプルを吸引採取したりする。


「地下水」流入が原因か 福島第1原発、凍土遮水壁の温度上昇
                         福島民友 2021年11月26日
 東京電力は25日、福島第1原発の汚染水対策として建屋周辺に巡らせた「凍土遮水壁」の一部で温度上昇が確認された問題を巡り、凍土遮水壁と排水路が斜めに交差している地点に地下水が流入し、凍土遮水壁で凍らされていた土壌を溶かしたことが原因と推定されると発表した。
 凍土遮水壁は、原発建屋周辺の地盤を凍結させることで、汚染水増加の原因となる地下水の流入を抑える対策として運用されてきた。
 東電が4号機原子炉建屋の西側での温度上昇を受け、周囲を掘削したところ、凍土遮水壁に近く、本来は凍っているとみられていた箇所で水が確認された。
 温度が上昇した場所は、排水路と凍土遮水壁が斜めに交わった地点になっている。排水路は周辺の水と交わらないように補強されていたが、内部には地下水が湧いていたという。
 東電は地下水が流入する過程で凍っていた土が溶け、温度上昇につながったとみている。周辺には軽油タンクの基礎なども存在している。
 東電は今後、問題の地点に山側から地下水が流れ込まないように止水壁を設置する。一部で温度上昇や想定外の地下水の流入はあったが、東電は「水を原子炉建屋に近づけない機能は維持されている」と主張している。