2021年11月19日金曜日

志賀原発現地調査始まる 規制委の石渡委員らによる

 北陸電力志賀原発の現地調査で、初日18日の調査を終えた原子力規制委の石渡明委員は「実際、屋外で目の当たりにした。百聞は一見にしかずというのがある。納得できる部分はあるし、いまいちだと思うこともあった」と語りました。

 調査は18日、19日の2日間の予定です。
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志賀原発 敷地内の断層 現地調査始まる
                          北日本放送 2021/11/18
 北陸電力が再稼働を目指している石川県の志賀原子力発電所で18日、新規制基準と適合するかを審査する原子力規制委員会の現地調査が始まりました。敷地内などの断層は「活動性がない」とする北陸電力の主張が妥当かどうかを見極めるためです。
 志賀原発を訪れたのは、原子力規制委員会の石渡明委員と事務局にあたる原子力規制庁の職員で、18日と19日、原発の敷地内と敷地周辺で断層の断面などを確認します。
土井記者 「再稼働をめぐる審査の焦点は断層の判断です。委員たちは活断層かどうか、どのように判断するのでしょうか」

 現地調査は、北陸電力が再稼働をめざしている志賀原子力発電所2号機が、東日本大震災の後につくられた新規制基準に適合しているかどうかを審査する一環です。基準では、原子炉の建物などの重要施設は、活断層がない地盤に設置すると定めていて、12万年前から13万年前の地層にずれや変形がないことが確認できれば、活断層の可能性はないと判断します。
 18日は、1号機の原子炉建屋の真下などを走るS1と、1号機、2号機のタービン建屋の下を走るS2・S6、そして北陸電力が再稼働をめざしている2号機の原子炉建屋の下を走るS4などについて調査しました
 石渡委員らは、北陸電力から断層の上部に堆積した地層にずれや変形がなく、12万年から13万年前より古いなどとする説明を受けました。

北陸電力の担当者 「これずっと同じ断層、こっちがずっと同じ断層。ここに境界があり
         ます」
石渡委員 「そうは見えないけどなあ」

 一行は、断層や堆積物の形状などを注意深く確認していました。
 また、海岸に近い敷地では、原発を冷やすための重要施設に位置付けられている冷却水をくみ上げるトンネルを横切っている断層についても確認しました。
 志賀原発の断層をめぐっては、原子力規制委員会の有識者会合が2016年に、S1は「活動によって変位したと解釈するのが合理的」、S2、S6は「活動した可能性がある」などとする評価書をまとめています
 この見解は、現在の審査会合で「参考意見」となっていて、北陸電力は一貫して「活断層ではない」と主張しています。
 1日目の現地調査を終えた石渡委員は。
石渡委員「納得できる部分もあるし、これについてはどうもいまいちだなということもございました。それは調査官の方から、それぞれの資料について、あるいはそれぞれの場所について、きょう北陸電力の方に申し上げて、再検討しますというようなところもございました。今出されている鉱物脈のデータ、これは、そこに目の前にあるわけですから、これは非常に強い証拠になるわけですよね。もちろん古いデータも無視はできません。無視はできませんが、そこのところは、きちんとした議論をして、はっきりとした決着をつける必要があると考えております」

 一方、北陸電力は…「苦労というかですね、志賀2号を再稼働させたいという思いはございますし、それをしっかり安全だよ、ということを皆様にご納得、ご理解いただくということ、それを達成するしか道はありませんので、当然のことを今進めていきますし、これからもしっかりと審査に対応していきたいと思っております」
 志賀原発の現地調査は19日も行われます。


志賀原発現地調査初日を終えて規制委の石渡委員「納得できる部分はあるし、いまいちだと思うことも」
                         富山テレビ放送 2021/11/18
北陸電力志賀原子力発電所の現地調査で、初日、18日の調査を終えた原子力規制委員会の受け止めです。
志賀原子力発電所2号機の再稼働に向け、敷地内活断層の存在を否定する北陸電力の評価に対し、現地調査を行った原子力規制委員会の石渡明委員は…。
原子力規制委員会 石渡明委員「実際、屋外で目の当たりにした。百聞は一見にしかずというのがある。納得できる部分はあるし、いまいちだと思うこともあった。調査官が、それぞれの試料について、場所について北陸電力に申し上げて再検討することもあった」

志賀原発2号機の再稼働を巡る現地調査は19日も行われ、敷地外にある福浦断層の確認が予定されています。