柏崎刈羽原発6号機の(新潟県)の大物搬入建屋の基礎くいで損傷が見つかった件で、しんぶん赤旗が、NHKが触れなかったことを伝えていたので「続報」として紹介します。
建屋基礎コンクリートの下に打たれたくいの損傷が何故見つかったのか不思議でしたが、新規制基準への設置変更許可申請の中で、東電が高い耐震性が要求される建屋として新たにこの建屋を指定し、耐震補強のために地盤改良工事をしている際にたまたま見つかったのでした。
そうであれば、地盤改良を必要としない他の既設施設のくいが中越地震で損傷しているものの発見されていないことは大いにあり得ることになります。
くいに横向きの荷重がかかって損傷した例は他には殆ど聞かないので、「豆腐の地盤」と呼ばれている柏崎刈羽原発特有の現象と思われます。そうであればこのまま次の大地震がくれば、大変な被害=原子力災害を出すことになり再稼働などは到底無理です。
因みに先の中越地震で原発に加わった加速度【ガル】は下表のとおりです。
⇒(13.3.30)柏崎刈羽原発敷地内の断層について(続報)より抜粋
加速度単位:[ガル]
観 測 点 | 最大加速度値の観測値と設計値 | ||||||
南北方向 | 東西方向 | 上下方向 | |||||
観測値 | 設計値 | 観測値 | 設計値 | 観測値 | |||
1号機 | 原子炉建屋 | 2階 | 599 | 460 | 884 | 463 | 394 |
地下5階(最下階) | 311 | 274 | 680 | 273 | 408 | ||
タービン建屋 | 1階(ペデスタル) | 1862 | 274 | 1459 | 274 | 741 | |
2号機 | 原子炉建屋 | 2階 | 517 | 271 | 718 | 271 | 412 |
地下5階(最下階) | 304 | 167 | 606 | 167 | 282 | ||
タービン建屋 | 1階 | 431 | 295 | 764 | 259 | 594 | |
1階(ペデスタル) | 642 | 588 | 1159 | 478 | 650 | ||
地下3階(最下階) | 387 | 233 | 681 | 232 | 470 | ||
3号機 | 原子炉建屋 | 2階 | 525 | 314 | 650 | 309 | 518 |
地下5階(最下階) | 308 | 192 | 384 | 193 | 311 | ||
タービン建屋 | 1階(ペデスタル) | 1350 | 854 | 2058 | 834 | 619 | |
地下3階(最下階) | 581 | 239 | 549 | 243 | 513 | ||
4号機 | 原子炉建屋 | 2階 | 606 | 299 | 713 | 293 | 548 |
地下5階(最下階) | 310 | 193 | 492 | 194 | 337 | ||
タービン建屋 | 1階 | 411 | 269 | 560 | 267 | 494 | |
1階(ペデスタル) | 614 | 832 | 763 | 838 | 526 | ||
地下3階(最下階) | 763 | 838 | 442 | 242 | 443 | ||
5号機 | 原子炉建屋 | 3階 | 472 | 354 | 697 | 350 | 331 |
地下4階(最下階) | 277 | 249 | 442 | 254 | 205 | ||
タービン建屋 | 2階(ペデスタル) | 1166 | 995 | 1157 | 754 | 533 | |
6号機 | 原子炉建屋 | 3階 | 554 | 415 | 545 | 411 | 578 |
地下3階(最下階) | 271 | 263 | 322 | 263 | 488 | ||
7号機 | 原子炉建屋 | 3階 | 367 | 415 | 435 | 411 | 464 |
地下3階(最下階) | 267 | 263 | 356 | 263 | 355 | ||
タービン建屋 | 2階 | 418 | 394 | 506 | 418 | 342 | |
2階(ペデスタル) | 673 | 1096 | 1007 | 859 | 362 | ||
地下2階(最下階) | 318 | 299 | 322 | 312 | 336 |
注.上下方向の設計値は235ガル
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柏崎刈羽6号 くい損傷 鉄筋7本破断・11本変形 中越沖地震原因か
しんぶん赤旗 2021年11月11日
東京電力柏崎刈羽原発6号機(新潟県)の建屋の基礎のくいで損傷が見つかったと10日の原子力規制委員会の定例会で報告されました。今後、原子力規制庁が現場を確認するなどして、対応を検討します。
損傷していたのは、6号機原子炉建屋につながっている大物搬入建屋。7月に同建屋の基礎を支える8本の鉄筋コンクリート製くいのうち1本の最上部に損傷を発見しました。調査の結果、くいの中に垂直方向に配置された鉄筋18本は、7本が破断し、11本が変形していました。また、同建屋の他のくいでは鉄筋の損傷は見つかっていないとしています。
石渡明委員は会合で「(鉄筋の)変形破断のパターンは、いままでの強い地震、兵庫県南部地震とか、東北地方太平洋沖地震、熊本地震などで観測されたくいの破断の状況と非常に似ている」とし、2007年の中越沖地震が原因ではないかと指摘しました。東電は、原因は調査中としています。
6号機大物搬入建屋は、原子力規制で耐震性が要求される建物ではありませんでした。しかし、新規制基準への設置変更許可申請の中で、東電が高い耐震性が要求される建屋として新たに指定し、耐震補強のために地盤改良工事を実施中でした。
柏崎刈羽原発はテロ対策の不備が発覚し、4月には規制委が核燃料の移動を禁止する命令を出しています。