柏崎刈羽原発の重大事故を想定した防災訓練が13日行われ、19年に新潟県が策定した原発事故時の「広域避難計画」の実効性を確認しました。柏崎市の住民約20人は大型のホーバークラフトに乗り込み、船舶避難の手順を確認し、妙高市では避難所で顔認証を使った受け付けを体験しました。
因みに積雪時の柏崎刈羽原発事故時の避難が至難であることを、18年2月10日付のブログ「大雪時の原発事故避難に改めて課題」で紹介したところ、この記事へのアクセス数が3100件以上に達し、本ブログの人気記事第1位となりました。
併せて紹介します。
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原発事故想定で防災訓練 柏崎刈羽の周辺住民が参加
共同通信 2021/11/13
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の重大事故を想定した防災訓練が13日行われ、30キロ圏内の住民が事故時の対応などを確認した。新潟県の主催で、2019年に県が策定した原発事故時の「広域避難計画」の実効性を確保する狙いがある。
訓練は同原発7号機の冷却機能が喪失し、放射性物質が放出したと想定。30キロ圏内の約18万人に屋内退避を呼び掛けた。
柏崎市の住民約20人は大型のホーバークラフトに乗り込み、船舶避難の手順を確認。妙高市では避難所で顔認証を使った受け付けを体験した。
柏崎市の田村幸蔵さん(66)は「繰り返し参加したい」と話した。
【参考】
大雪時の原発事故避難に改めて課題
2018年2月10日土曜日
今年は柏崎市などの海沿いでも大雪となり、柏崎刈羽原発で積雪期に事故が起きた場合に住民がスムーズに避難出来るのかが、改めて大きな課題になっています。
米山隆一知事は8日、これまで住民の不安に応えてこなかったのは行政側の「怠慢」として、高速道を使った避難訓練などを含め、複合的な災害も視野に入れた避難計画を進めることを強調しました。
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大雪時の原発事故避難に改めて課題 知事、高速道訓練も選択肢
新潟日報 2018年2月9日
新潟県内は柏崎市などの海沿いでも大雪となり、東京電力柏崎刈羽原発で積雪期に事故が起きた場合の対応が、改めて大きな課題になっている。同原発の安全性を巡って7日に開かれた地元の会合でも懸念の声が相次ぎ、米山隆一知事は8日、これまで住民の不安に応えてこなかったのは行政側の「怠慢」と指摘。高速道を使った避難訓練などを含め、複合的な災害も視野に入れた避難計画と備えの必要性を強調した。
柏崎市街地では8日、平年の約3倍となる積雪95センチを記録。片側2車線道路が路肩の雪で1車線になるなど、交通渋滞が発生した。JRや路線バスも運休し、交通網が一部でまひした。
7日の「原発の透明性を確保する地域の会」では、原発反対の委員から「こんな日に原発事故が起きたら絶対逃げられない。実効性のある避難計画なんて無理」といった意見が続出。推進派からも「積雪で車は動かない」との声があった。
7日の会合は米山知事も出席する予定だったが、大雪による北陸道の通行止めなど交通の混乱で到着できなかった。
米山知事は8日の記者会見で「図らずも証明されたが、大雪は一層状況を悪くする」と実感を込め、原発事故時の避難への不安について「当然ある。それに応えてこなかったことは(行政側の)ある種の怠慢」と語った。
その上で「安心しろ、と言われてもできない。何が不安なのか、住民の判断材料を提供することが行政の役割だ」と述べた。
高速道を使った避難訓練については「選択肢としてはある。少なくとも机上訓練はある」との認識を示し、「さまざまな課題を(県の)検証委員会で詰め、対応できる計画を作っていく」と話した。
7日に中止となった知事と桜井雅浩柏崎市長、品田宏夫刈羽村長との3者会談については「2017年度は難しいかもしれないが、近いうちに」と再設定する考えを示した。