2021年11月7日日曜日

原発事故避難者の不在者投票、33人+αが無効に

 31日投開票の衆院選で、福島県外に居住する避難者の不在者投票の一部が、開票に間に合わず無効にりました。

 同県浪江町だけで33人分に上り、双葉町と大熊町、富岡町でも、各数人の投票用紙が遅れて届きました。各選管からは「今後は不在者投票期間を2日間程度、前倒しするべきだ」との声も上がっています。いずれにせよ何らかの行政的対応を行う必要があります。
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【独自】原発事故避難者の不在者投票、33人分無効 福島県外から到着遅れる
                         河北新報 2021年11月06日
 10月31日投開票の衆院選で、福島県外に居住する東京電力福島第1原発事故の避難者の不在者投票の一部が、開票に間に合わなかったことが5日、分かった。同県浪江町だけで33人分に上り、全て票にならなかった。解散から投開票まで17日という短い日程に加え、10月から郵便物の土曜配達が廃止されたことも影響したとみられる。
 衆院選福島5区の浪江町の選管には、開票翌日の今月1日に31人、2日に2人の不在者投票用紙が郵送で届いた。同町は人口約16300のうち町内在住者が約1700人で、約6000人は住民票を残したまま県外で暮らしている。
 同県双葉町と大熊町、富岡町でも、各数人の投票用紙が遅れて届いた。大熊町選管の担当者は「遠くの避難先からの一票が無駄になり、まずい」と嘆く。

 原発事故の避難者は、住民票のある福島県内の市町村の選管から届いた不在者投票用紙で、避難先の選管で投票。避難先の選管が同県の各選管に投票用紙を郵送する流れになっている。不在者投票最終日の10月30日に県外で投じられた票は、速達でも翌日の開票に間に合わなかったとみられる。
 また事前に不在者投票の意思を確認するため避難者に送る不在者投票用紙請求書も、解散から投票まで間もない日程で、到着が10月19日の公示後になったケースも少なくない。不在者投票用紙の到着はさらに後になり、投票が期間の後半にずれ込んだことも想定される。
 富岡町選管の担当者は「不在者投票請求書を(解散翌日の)10月15日に郵便局に持って行ったが、有権者に届いたのは早くて18日。20日以降の配達もあり、『まだ届かない』という問い合わせも受けた。土曜の郵便配達がなくなったことも大きい」と話す。
 各選管からは「今後は不在者投票期間を2日間程度、前倒しするべきだ」との声も上がる。福島県選管は「不在者投票は原発事故の被災地にとって大切な投票手段であり、好ましくないことが起きた」と困惑している。