2021年11月19日金曜日

玄海原発「リラッキング」一部完了/県が事故多発の根本検証を要請

 玄海原発3号機で実施している、使用済み核燃料貯蔵プールの「リラッキング」工事に関連して、九州電力は16日、工事の一部完了に伴って4号機にある使用済み燃料112体を3号機に移しました。4号機から3号機への使用済み燃料の運搬は初めてです。完了すれば3号機の貯蔵容量は工事前の1050体から1672体まで増えます。

 それとは別に、火災など玄海原発での相次ぐトラブルを受け、佐賀県が17日九州電力に対し原因を根本から検証するよう要請しました。
 この3年間で8件火災や負傷事故が起き、度重なるトラブルを受けて発電所の作業を“総点検”し、県に結果を報告した後も火災などが3件起きています
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玄海原発「リラッキング」一部完了 使用済み燃料112体移す 4号機から3号機へ
                            佐賀新聞 2021/11/17
 玄海原発(東松浦郡玄海町)の3号機で実施している、使用済み核燃料貯蔵プール内の燃料の間隔を詰めて保管量を増やす「リラッキング」工事に関連して、九州電力は16日、工事の一部完了に伴って4号機にある使用済み燃料112体を3号機に移したと発表した。保管量を増やす3号機のプールについては4号機との共用を計画しており、4号機から3号機への使用済み燃料の運搬は初めて。
 九電によると、運搬期間は9月28日~11月15日で、運搬後の使用済み燃料は3号機が貯蔵容量1266体に対し842体になった。4号機は容量1504体に対し、運搬後でも1120体に達している。運搬について九電は「総合的な運用管理をすることで、貯蔵容量の確保を行っている」と説明している。
 「リラッキング」工事は貯蔵プールを8ブロックに分けて3段階で進める計画で、第1期の3ブロック分の工事は9月までに終了していた。全体では2024年度の工事完了を目指していて、完了すれば3号機の貯蔵容量は工事前の1050体から1672体まで増える。(岩本大志)


相次ぐ原発火災受け 県が九電に検証を要請【佐賀県】
                           サガテレビ 2021/11/17
火災など玄海原子力発電所での相次ぐトラブルを受け、県が17日九州電力に対し原因を根本から検証するよう要請しました。
南里隆副知事:「昨年“総点検”を行った後もなぜこのようなトラブルが続くのか、その原因を根本から幅広く検証し、対策を講じること」

県の南里隆副知事は17日このように要請し、「玄海原発に関わるすべての人に、気の緩みがあってはならない」と釘を刺しました。
九州電力は去年、度重なるトラブルを受けて発電所の作業を“総点検”し、県に結果を報告していましたが、その後も火災などが3件起きています。九電の豊嶋直幸常務は「深く反省している。一旦立ち止まって原因を深掘りし、再発防止を徹底する」と陳謝しました。
九州電力・豊嶋直幸常務:「(問題点を)一度昨年12月にはあぶり出したつもりではあったんですけども、それがまだまだ足りなかったというふうには現時点で思ってございます」

玄海原発では17日敷地内にある特定重大事故等対処施設の工事現場で火災があり、この3年間で8件、火災や作業員が負傷する事故などが相次いでいます。


玄海原発火災 佐賀県が九電に原因究明を要請
                          九州朝日放送 2021/11/18
佐賀県の玄海原子力発電所で16日未明に火災が発生したことを受けて、佐賀県が九州電力に対し、原因を究明するよう求めました。
佐賀県の南里隆副知事は、17日、九州電力の豊嶋直幸常務に、「度重なるトラブルの発生は県民の信頼を損なう」と指摘しました。
火事は、16日未明にテロ対策施設の工事現場で発生したもので、九電は、けが人はなく放射性物質の放出もないとしています。
玄海原発ではおととしからトラブルが相次いでいたため、去年12月に作業の総点検を行いましたが、それ以降、今回の火事で3回目のトラブルです。
九電は「根本原因のあぶり出しが足りなかった。もっと深掘りしていく」としています