2021年11月21日日曜日

志賀原発の現地調査 2日間の日程を終える

 北陸電力志賀原発の原子力規制委員会による現地調査は19日、2日間の日程を終えました。原子力規制委石渡明委員は、「疑問に思った点もあるので、それらについては今後の審査会合で明らかにしていきたい」と語りました。
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再稼働をめぐる志賀原発の現地調査…2日間の日程を終える
                         MRO北陸放送 2021/ 11/19
北陸電力志賀原子力発電所の再稼働をめぐり、原子力規制委員会が行っている現地調査は2日間の日程を終えました。断層の評価についての結論は、今後の審査会合で出される予定です。
現地調査2日目は敷地近くにあって活動性が認められている福浦断層について、長さや活動性の調査が行われました。
午前中、トレンチと呼ばれる調査のために掘られた溝を訪れた調査団は、断層の活動が引き起こした可能性がある地層のズレについて、北陸電力側の説明を受けながら注意深く観察しました。
その後、断層の北側の端とみられる部分で、地面の表土をはいだ箇所を目視で確認したほか、ボーリング調査で採取された試料の確認などを通して、断層の長さや位置関係を調べていました。
原子力規制委員会の石渡明委員は「現場を見たと見ないでは全然(調査の質が)違う、新しい事実がいろいろ出てきて納得できる部分と分からない部分があった。今後審査会合の場で議論を進めてはっきりさせたい」と話し、また、北陸電力の石黒伸彦原子力本部長は「充実した調査だった、(原子力規制委が)疑問に感じらるような箇所もいくつかあったが、それについてはしっかりと説明をもう少しするとか補助的なデータを追加する形で議論させていただきたい」と話しました。
敷地内の断層は活動性があるのかないのか。この最大の焦点を含め現地調査を踏まえた見解は、今後の審査会合で示される見通しです。


「原発直下の断層に疑問点も」原子力規制委の現地調査終了 再稼働目指す北電・志賀原発2号/富山
                       チューリップテレビ 2021/11/20
 北陸電力・志賀原子力発電所2号機で、再稼動へのカギを握る国の原子力規制委員会による現地調査が終了しました。
 規制委員会は、原発建屋の直下にある断層などに新たな疑問が生じたとして、今後の審査会合で議論していきたいとしています。
 記者「現地調査2日目の19日は、発電所から1キロほど離れたこちらの福浦断層で行われ、現在、調査員が断層の活動した形跡を確認しています」
 北陸電力が再稼働を目指す志賀原発2号機で、18日から原子力規制委員会による現地調査が実施されていて、19日は東へおよそ1キロの場所にある「福浦(ふくうら)断層」について調査が行われました。
 志賀原発をめぐっては、規制委員会の有識者調査団が2016年に敷地内の断層の「活動性を否定できない」と判断しました。
 国の新しい基準では、活断層の上に原発の重要施設を置くことを禁じているため、2号機は廃炉の可能性も指摘されていました。
 しかし、去年7月、北陸電力が「活断層ではない」とする新たなデータを提出し、今回、現地調査に至りました。
 19日調査が行われた「福浦断層」は原発の敷地外にありますが、活動した場合にどの程度原発に影響を与えるのか問題視されてきました。
 北陸電力はこれまでの調査で「福浦断層」を活断層と評価していますが、「敷地内の断層と連動して動くことはない」との見解を示しています。
 19日の調査について規制委員会の石渡委員は。
 原子力規制委・石渡明委員「北陸電力の調査の内容というのは理解したという形でありますし、ただもちろん今後もう少し調査をやってくださいというところもあります」

 原発の再稼働を目指す北陸電力にとって、今回の現地調査はそのカギを握る重要局面です。
 1日目の調査では、敷地内の原発の重要な建屋にかかるあわせて10本の断層を調査しました。
 石渡委員は北陸電力の説明を受けながら、首をかしげる様子も見られました。
 調査全体を振り返り、石渡委員は。
 原子力規制委・石渡明委員疑問に思った点もございますので、それらについては今後の審査会合で明らかにしていきたい。特にということで言えば、2号炉直下にあるS-4断層。具体的にどういう状況にあるかについて我々もイメージを持っていませんでしたので、今回初めて見せていただいた」

 一方、調査を終えた北陸電力は。
 北陸電力・石黒伸彦副社長兼原子力本部長「手応えといいますか、私たちもはっきりご説明申し上げたと思いますし、説明性を上げるために早急に対応していきたいと思っています」
 北陸電力は、今回の現地調査を踏まえてさらに追加でデータを提出する予定です。
 石渡委員は今回の現地調査について「マイナスがゼロになった」と評していて、北陸電力にとっては再稼働への険しい道のりはまだ続きそうです。