2021年11月10日水曜日

青森県を最終処分地にしない 経産相「確約を順守」

 萩生田経産大臣が8日、青森県庁を訪れ核燃料サイクル政策推進の堅持と青森県を使用済み核燃料の最終処分地にしないという政府の方針が変わらないことを三村知事に伝えました。

 経産相は、「使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウムなどを有効利用する、核燃料サイクルの推進を基本的方針としている」と述べましたが、その具体的内容がどうなのかは釈然としません。
 一方、青森県六ケ所村の戸田衛村長9日、共同通信のインタビューに応じ、サイクル政策見直しの議論に反発し「撤退は考えられない。代替策や賠償金などの金で解決できる問題ではない」と述べまし
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萩生田経産大臣 核燃料サイクル政策推進と青森県を最終処分地にしない方針の堅持を伝える
                        ABA青森朝日放送 2021/11/8
萩生田光一経済産業大臣が8日、青森県庁を訪れました。核燃料サイクル政策推進の堅持と青森県を使用済み核燃料の最終処分地にしないという政府の方針が変わらないことを三村知事に伝えました。
萩生田大臣は8日8時半ごろ県庁を訪れ、三村知事に核燃料サイクル政策の政府の方針を説明しました。
【萩生田光一経済産業大臣】「使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウムなどを有効利用する、核燃料サイクルの推進を基本的方針としております。この方針に変わりはなく引き続き堅持していきます」「また青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしないとの約束を引き続き順守したいと思います」
これに対し、三村知事は国の方針に変わりがないことを確認できたとしました。


青森県を最終処分地にしない 経産相「確約を順守」 青森県庁で知事と会談
                            Web東奥 2021/11/8
 萩生田光一経済産業相が8日、青森県庁を訪れ、三村申吾知事と会談した。「本県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしない」とする県と国の確約について、萩生田氏は「引き続き順守する」と強調。核燃料サイクル政策を堅持し、国が前面に立って国民への理解促進活動に努める方針を改めて示した。
 大臣就任後初となる萩生田氏の来県は、10月に閣議決定された「エネルギー基本計画」でサイクル政策の推進が明記されたことを受け、関連施設が集中立地する青森県に対し国の方針を説明することなどが目的。
 萩生田氏はサイクルの中核施設である日本原燃・六ケ所再処理工場やMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料工場などに触れ「竣工(しゅんこう)や操業に向けた準備を官民一体となって進め、プルサーマルや使用済み燃料対策などを一層推進する」などと話した。

 再処理工場が稼働した場合、高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固めたガラス固化体(高レベル廃棄物)や、放射能レベルが極めて高く地層処分が必要な廃棄物などが発生する。こうした廃棄物も確約に含まれるか-と改めて確認した三村知事に対し、萩生田氏は「約束の中には再処理工場から発生するものも当然含まれている」と明言した。
 三村知事は「国の方針に何ら変わりがないことを確認できた。大臣として責任ある回答をいただいた」などと評価した。
 萩生田氏は六ケ所村も訪問。面会した戸田衛村長は、再処理工場が当初予定から20年以上が経過した今も完成に至っていないことに「遅延が(事業)不要の議論につながりかねない」と懸念を述べ、早期の完成を訴えた。プルサーマルの推進やバックエンド(原発の後処理)対策などの一層の取り組みも要請した。
 萩生田氏は再処理工場の安全対策工事などを視察後、報道各社の取材に「稼働していないとの批判は真摯(しんし)に受け止める」と応じた上で、「スピード」ではなく安全性を最優先する考えを示し「原子力規制委員会からの指摘に全て応え最高の安全基準をクリアした施設として整備を進めていく」と語った。


核燃サイクルで六ケ所村長反発 「代替策や金で解決できない」
                             共同通信 2021/11/9
 原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場など「核燃料サイクル」の主要施設が集中する青森県六ケ所村の戸田衛村長(74)が9日、共同通信のインタビューに応じ、サイクル政策見直しの議論に反発し「撤退は考えられない。代替策や(賠償金などの)金で解決できる問題ではない」と述べた。
 戸田氏は、かつて村が苦渋の決断で再処理工場の受け入れを決めた経緯や、1985年の受け入れ決定から36年たっても稼働していないことを強調。「一般の会社ならありえないことで、村は我慢している。地元経済を考えずに(稼働開始時期を)先送りしてきたことを国は理解すべきだ」と訴えた。