2021年11月6日土曜日

06- 柏崎刈羽原発 核関連の周辺防護区域に業者車両が誤進入(詳報)

 柏崎刈羽原発で業者の車両が核関連防護区域誤進入した件で、毎日新聞とBSN新潟放送が記事を出しましたので詳報として紹介します。

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    (11月5日)要テロ対策区域に別の車の通行証で立ち入り 柏崎刈羽原発
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柏崎刈羽原発 核関連の周辺防護区域に誤進入 搬入業者車両
                            毎日新聞 2021/11/5
 東京電力は4日、柏崎刈羽原発で物品を搬入する業者の車両が誤った車両通行証を使用して核セキュリティーに関わる周辺防護区域に入る事案があったと発表した。
 稲垣武之所長は同日の定例記者会見で陳謝し「(原因は)悪意というよりヒューマンエラー(人的ミス)。ゼロにするのはなかなか難しいが、きちんと原因を特定し対策を取り、それを継続的に改善していくことが重要だ」と述べた。

 東電によると、事案は9月29日に発生。車両が周辺防護区域外へ出る際のチェックで発覚した。協力企業が搬入の委託先の業者に誤った車両通行証を手渡した上、出入り口にいた警備員が物品の照合作業に気を取られて車両通行証のチェックをおろそかにしたのが原因という。出入り口の位置や警備員の人数、通行証の種類などは、核セキュリティーに関する事案を理由に非公表とした。
 東電は今後の再発防止策として、協力企業などが業者間で通行証を手渡しする際に相互確認をすることと、出入り口にいる警備員が通行証や積み荷などの確認作業を一つずつ行うことを挙げた。
 また、同原発では9月に3号機タービン建屋地下で圧縮空気除湿装置のケーブルの一部が焼けたほか、10月には1号機タービン建屋南側にある排水ポンプのケーブルが焦げた。相次いだ火災について稲垣所長は「電気系統の劣化が原因とみられ、一件ずつ原因を確認し、水平展開して再発防止を図りゼロを目指す」と話した。【内藤陽】


柏崎刈羽原発 テロ対策にまた問題 別車両の通行証で通過
                          BSN新潟放送 2021/11/4
新潟県にある柏崎刈羽原発について、核物質防護上の区域の出入口で、別の車両の通行証を提出した車をそのまま通していたことが分かりました。発生したのはテロ対策の一連の問題を受けて、改善措置計画を提出した1週間後でした。

4日に開かれた東京電力・柏崎刈羽原発の所長会見。
【稲垣武之所長】
「一度実施したら終わりというわけではなく、こういう事案も含めて継続してどんどん対策を強化していく」
東京電力によりますと今年9月、業務車両が核物質防護上の区域の出入口のゲートを進む際に、別の車両が使うはずだった車両通行証を警備員がゲートで確認せず、そのまま車を内部に通したということです。誤った通行証は、関連企業が委託先に手渡す際に取り違えたとしています。
柏崎刈羽原発をめぐっては核防護設備をめぐる一連の不祥事が発生し、原子力規制委員会は事実上の運転禁止命令を出していました。東電は原因と対策を取りまとめた改善措置計画を規制委へ9月22日に提出していましたが、その1週間後に通行証の確認ミスが起きていたことになります。
【稲垣武之所長】
「タイプ的には悪意があるというよりは、ヒューマンエラーの部類に属するものだと思っている。ただ、それが許されるかというと我々、核物質を扱う事業者なので厳格にチェックをしなければならない
さらに、ミスが発生したのは今から1か月以上前で、10月14日の所長会見でも公表していませんでした。これについて東京電力は「公表しても警備の脆弱性に問題ないことがおととい、会議で確認とれたのできょう公表した」としています。