2021年11月17日水曜日

17- 女川原発に3回目立ち入り 宮城県と立地市町

 女川原発で7月に硫化水素中毒症状を起こした事故など一連のトラブルを巡り、宮城県と女川町、石巻市は15日、再発防止策を確認するため、東北電との原子力安全協定に基づく立ち入り調査を実施しました。調査は今年3回目で、県の担当者ら計16人が硫化水素の発生源となったタンク内のスラッジ(汚泥)の処理方法やガスの漏えい防止策を記した社内規定を確かめました。
 同原発では8月に焼却炉建屋で白煙が発生したり、3号機使用済み核燃料プールボルト類が落下するなどの事故を起こしました。
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女川原発に3回目立ち入り 宮城県と立地市町、トラブル続発で
                            河北新報 2021/11/16
 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)で7月に協力企業の作業員7人が硫化水素を吸い込んで中毒症状を起こした事故など一連のトラブルを巡り、宮城県と女川町、石巻市は15日、再発防止策を確認するため、東北電との原子力安全協定に基づく立ち入り調査を実施した。
 県によると調査は今年3回目。県の担当者ら計16人が1号機廃棄物処理建屋に入り、硫化水素の発生源となったタンク内のスラッジ(汚泥)の処理方法やガスの漏えい防止策を記した社内規定を確かめた
 8月に白煙が発生した焼却炉建屋では、排気管内に堆積した焼却灰が原因になったことを踏まえ、定期的な清掃などを定めた管理手順を確認。ボルト類が落下した3号機使用済み核燃料プールについては落下物の回収スケジュールといった説明を受けた。

 東北電は調査に先立ち、硫化水素の発生はスラッジが多量に堆積していたことが主な原因と説明。再発防止策としてスラッジの定期的な排出や空調の排気量を増やすことなど4項目を挙げた。
 県原子力安全対策課の伊藤健治課長は「小さな問題が積み重なると大きな事故の発生に至る可能性がある。再発防止に努めてほしい」と述べた。女川原発の若林利明所長は終了後の取材に「あらゆるリスクを幅広く想定しながら改善策を徹底する」と話した。

 調査には原発30キロ圏内の登米市、東松島市、宮城県涌谷町、美里町、南三陸町の職員も同行した。