2021年11月1日月曜日

福島産最高級米「福、笑い」本格デビュー

福島産最高級米「福、笑い」本格デビュー 安全性、全国に発信

                         河北新報 2021年10月29日
 福島県産のトップブランド米「福、笑い」の本格販売が28日、首都圏と県内で始まった。福島産米は東京電力福島第1原発事故によるイメージ低下に加え、コロナ禍での農水産物の需要低迷も課題。生産者は「福島産米のけん引役を担ってほしい」と期待を寄せる。
 同日、福島市と東京都内をオンラインで結ぶ披露会があり、福島会場では東京五輪で金メダルを獲得したソフトボール女子日本代表の宇津木麗華監督と上野由岐子選手が登壇。炊きたての新米を試食した宇津木さんは「一粒一粒が生きていてすごくおいしい」、上野さんは「名前通り食べると笑顔になれる」と話した。
 県は販路を首都圏と県内の米穀店など50店舗に絞り、両地域を対象にテレビCMの放送を開始。価格帯は全国の高級ブランド米と同等の1キロ800円程度を目指す。全農県本部のオンライン店舗「JAタウン」でも購入できる。
 「福、笑い」の開発は2006年に始まった。コシヒカリとひとめぼれの系統品種を掛け合わせ、豊かな香りと甘味、軟らかな食感が特長。試験的に生産した昨年は県内と首都圏で16・8トンを売り上げ、消費者の92%から高い評価を得た。
 他産地との差別化にも注力する。県は全国で初めて食品生産過程の安全性を担保する認証「GAP(ギャップ)」の取得を生産要件とし、初年度は生産者61人が登録。初年度の収穫量は130トンと他の主要ブランド米より抑え、希少性も高めた。
 披露会に出席した内堀雅雄知事は「県とJAグループ福島が14年の歳月をかけた特別なお米。日本一を目指して努力を続ける」と話した。