2021年11月6日土曜日

「予見できなかった」作業員7人が硫化水素を吸った事故で 東北電力

 今年7月、女川原発2号機の制御建屋内に硫化水素の有毒ガスが漏れ出し、吐き気などを訴えた作業員7人が病院で手当を受けた件で、東北電力は原因と再発防止策を示しました。

 硫化水素事故の防止は酸欠事故と並んで重視されていますが、硫化水素は作業服の洗濯廃液をためるタンク内で発生したもので、全く想定されていませんでした。
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「予見できなかった」作業員7人が硫化水素を吸った事故で東北電力が原因と再発防止策公表 <宮城>
                             仙台放送 2021/11/5
宮城県女川町の女川原発で、作業員7人が有毒の硫化水素を吸った事故について、東北電力は原因と再発防止策を示しました。
この事故は今年7月、女川原発2号機の制御建屋内に、硫化水素の有毒ガスが漏れ出し、吐き気などを訴えた作業員7人が病院で手当を受けたものです。事故後、県などが立ち入り調査を行い、労働基準監督署は先月、改善を求める指導票を交付しました。
東北電力は11月5日付けで労基署に報告書を提出したとして、事故の原因と再発防止策を公表しました。それによりますと、硫化水素は作業服の洗濯廃液をためるタンク内で発生し、スラッジと呼ばれるヘドロに含まれていました。事故当時、固くなっていたスラッジを従来より高い圧力でかき混ぜたところ、スラッジに含まれていた硫化水素が放出され、一部が漏れ出したとみられています。東北電力は今後、定期的にスラッジを取り除き、作業の際には配管の弁を閉じるなどの対策を講じるとしています。

東北電力 鈴木邦章原子力運営課長「過剰な硫化水素が発生し系統外に流出した事象がなく、今回のような事象の発生は予見できなかった
全国では2020年、労災による硫化水素中毒で6人が死亡しています。