2021年11月22日月曜日

福島 請戸漁港の復旧が完了 原発事故で大幅遅れ

 東日本大震災で被災した福島県浪江町の請戸漁港の復旧工事が終わり、完成式典が20日行われました。これで県内10漁港全てで震災からの復旧工事が完了しました。

 福島第1原発から北へ約6キロにある請戸は、震災で防波堤や岸壁が壊滅的な被害を受けましたが、原発事故避難区域に含まれたため復旧工事の開始時期が他の漁港より大幅に遅れました。
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                        河北新報 2021年11月21日
 東日本大震災で被災した福島県浪江町の請戸漁港の復旧工事が終わり、完成式典が20日行われた。県土木部によると、県内10漁港全てで震災からの復旧工事が完了した。
 東京電力福島第1原発から北へ約6キロにある請戸は、原発に最も近い漁港。震災で防波堤や岸壁が壊滅的な被害を受けたが、原発事故で避難区域に含まれたため復旧工事の開始時期が他の漁港より大幅に遅れた。工事は原発事故から2年後の2013年に始まり、今年3月に終了した。
 式典で県相馬港湾建設事務所の近内剛所長は「復旧は遅れてしまったが、これから町の復興の推進役になってほしい」とあいさつ。地元のなみえ創成小・中学校の子どもたちや東北芸術工科大(山形市)の学生が防潮堤に描いた「復興ペイント」の除幕式もあった。
 県によると、県沿岸の6市町にある計10漁港の復旧工事費は総額約670億円。相馬市の松川浦漁港が最高の180億円、次いで南相馬市の真野川漁港120億円、請戸漁港90億円。請戸漁港に水揚げされた魚の競りは昨年4月、9年ぶりに再開されている。


福島の被災10漁港、全て復旧 浪江・請戸で記念式典
                            共同通信 2021/11/20
 東日本大震災の地震と津波で損傷した福島県浪江町の請戸漁港の復旧工事が終わり、20日に記念式典が開かれた。事故を起こした東京電力福島第1原発の北約7キロに位置し、避難指示の影響で工事完了まで時間を要したが、これで県内の被災10漁港は全て復旧した。
 請戸漁港は第1原発に最も近い漁港。防波堤や岸壁が激しく壊れ、原発事故直後の2011年4月から約2年間は原則立ち入り禁止の警戒区域に。工事開始は13年10月にずれ込み、今年3月に完了した。既に利用が始まっている。
 コロナ禍による延期を経て行われた式典で、吉田数博浪江町長は「町にとって大きな前進だ」とあいさつした。