青森市など6市町にまたがる八甲田周辺で計画中の「(仮称)みちのく風力発電事業」について、事業を計画するユーラスエナジーホールディングス(東京)は1日、風車の設置計画区域を見直し、十和田八幡平国立公園普通地域を除外する方針を明らかにしました。
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国立公園への設置除外 八甲田・風力発電計画 市民団体反対で見直し
Web東奥日報 2022/8/2
青森市など6市町にまたがる八甲田周辺で計画中の「(仮称)みちのく風力発電事業」について、事業を計画するユーラスエナジーホールディングス(東京)は1日、風車の設置計画区域を見直し、十和田八幡平国立公園普通地域を除外する方針を示した。青森市の荒川市民センターで行われた、同事業の中止を求める市民団体「Protect Hakkoda~八甲田の自然を後世に~」との意見交換後に明らかにした。
同団体はこれまで、八甲田の自然破壊や景観への影響から、国立公園での風車設置中止を強く求めてきた。これを受け、事業者側は「国立公園周辺地域に関しても、景観への懸念を強く持たれているという点を認識した」とし、設置区域から公園を除外することを説明した。また、実際に風車が設置された場合の景観がイメージできるよう、計画区域に合わせた合成写真を作成する方針を示した。
同社は今後、事業を計画する6市町の住民向けの説明会を検討しており、今秋をめどに環境影響評価方法書を提出する予定。担当者は「説明会などで頂いた意見を基に、場合によっては設置する基数を減らすこともあり得る」と話した。
市民団体の浜部信彦代表は「広大な計画エリアを少しでも絞れた点は一つの収穫。ただ一番危惧される景観への影響も考え、(国立公園を含む)南エリアはどうしてもやめてほしい」と訴えた。また「他の関係市町の住民にも事態を認識してほしい」とし、同団体でも住民向けの集会などを検討していくとした。
同社の事業計画では、約1万7300ヘクタールの想定区域に風力発電を120~150基設置予定。総出力は約60万キロワットを見込んでいる。