2023年9月11日月曜日

11- 岸田首相「処理水放出、国際社会で広く理解得た」と

 韓国の中央日報が読売新聞の記事に基づき、岸田首相が「主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で各国首脳に対して福島第一原発汚染水海洋放流の安全性を説得「国際社会の理解が広く得られている」との認識を示したと報じました中央日報は韓国民の中にある放出反対論を意識して、その鎮静を目指したものと思われます。

 問題は日本が、肝心の中国の反対を押し切って海洋放出を強行したことで、他国の多くは反対していないことを強調しても中国の硬化した態度を軟化させることにはなりません。問題を解決するには中国に直接当たって説得するしかありません。
 併せてFNNと産経新聞の記事を紹介します。
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岸田首相「処理水放出、国際社会で広く理解得た…中国だけ突出した行動」
                      韓国 中央日報日本語版 2023/9/11
岸田文雄首相が「主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で各国首脳に対して福島第一原発汚染水(日本政府の名称「処理水」)海洋放流の安全性を説得した。
岸田首相はこれを通じて「(国際社会の)理解が広く得られている」との認識を示した。
同時に中国が日本産水産物の輸入を全面的に中断した措置については抗議の意向を明らかにして「撤回を求める」と明らかにした。

10日、読売新聞によると、岸田首相は9日(現地時間)、インド・ニューデリーで開幕したG20サミットで中国を念頭に置いたように「一部の国が日本産水産物の輸入を全面的に一時停止するなど突出した行動を取っている」と発言した。
岸田首相は特に中国の李強首相と初対面した事実に言及し、「二国間、多国間の機会をとらえ、引き続き即時撤回を求めていく」と明らかにした。
続いて「しかし(処理水放出は)国際社会において広く理解が得られている」と主張した。
岸田首相のこのような発言はこれまで日本政府が国際原子力機関(IAEA)の検証結果を根拠に汚染水放流が安全である点を積極的に知らせてきたことが実を結んでいると自評したものとみられる。

読売によると、岸田首相は同日、オーストラリアのアルバニージー首相やオランダのルッテ首相、インドのモディ首相らと相次いで首脳会談を行い、海洋放流について説明した。
この席で岸田首相が「米国とオーストラリアに加えてインドネシア、マレーシア、クック初頭、オランダ、トルコ(テュルキエ)など多くの国が理解と支持を表明した」としたと読売は伝えた。


【速報】岸田総理 福島第一原発の処理水放出「理解が一層広まった」
              FNNプライムオンライン(フジテレビ系)2023/9/10
岸田総理大臣は、福島第一原発の処理水の海への放出について「処理水放出のプロセスが、透明性の高いものだと評価を得て、理解が一層広まった」と述べた。
また日本産水産物の輸入を停止する中国に対しては、引き続き即時撤廃を求めると述べた。
G20=主要20カ国・地域の首脳会議の閉幕後にインド・ニューデリーで会見を行った。


首相記者会見 処理水放出「理解深まっている」
                             産経新聞 2023/9/10
【ニューデリー=田中一世】岸田文雄首相は10日(日本時間同日夕)、訪問先のインドでの記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について、「ASEAN(東南アジア諸国連合)やG20(20カ国・地域)諸国に日本の対応をしっかり説明した。多くの国から処理水放出のプロセスは安全で透明性が高いとの評価をいただいてきたが、理解が一層広まったと感じている」と述べた。
また、日本産水産物の全面禁輸措置をとる中国の対応に関しては、「2国間、多国間の機会やWTO(世界貿易機関)など通商の枠組みの場を活用し、引き続き即時撤回を求めていく」と強調した。
首相は6日にインドネシアの首都・ジャカルタで、中国ナンバー2の李強首相と短時間の立ち話を行い、処理水放出を巡る中国の科学的根拠に基づかない批判に反対した。これを踏まえ、「李氏に私の考えを伝えられたことは重要なことだった」とも振り返った。
日中関係については「日本としては主張すべきは主張し、中国に責任ある行動を強く求めつつ、対話をしっかりと重ね、『建設的かつ安定的な関係』の構築を進める」と語った。