2023年9月16日土曜日

アルプス処理水放出で苦境のホタテ加工業者 宮城・石巻市

 水産加工会社「東日本フーズ」によると、売上の3割を占めるホタテについては、震災後はロ当たり1500円から1600円だったものが22年には3300円から3600円ぐらいと、23倍から24倍に値段が跳ね上がりました。

 この値上がりを牽引したのは中国でしたが、その中国が突然日本産の水産物の輸入を全面的に禁止した結果、国内市場で「だぶつき」が生じて値下がりしました。
 しかし売り上げは半減したので損失が大きくて、一日も早く仕入れ値が更に下がり国内での需要が高まることを期待しているということです。
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「中国がプライスリーダーとなりどんどん取引価格が引きあがった」処理水放出で苦境のホタテ加工業者 宮城・石巻市
                           tbc東北放送 2023/9/15
福島第一原発の処理水の海洋放出を巡り、中国は、現在も日本の水産物の輸入を全面的に禁止したままです。中国を最大の取引先とするホタテへの影響が懸念される中、輸出を手がけていない水産加工会社も、大量の在庫を抱えるなど苦境に立たされています。

宮城県石巻市の水産加工会社「東日本フーズ」です。北海道から仕入れたホタテの貝柱を加工し、スーパーや回転寿司チェーンに出荷しています。
売り上げの3割近くを占める主力商品のホタテ、去年から仕入れ値が高騰しているのです。
東日本フーズ 佐藤俊一社長「(去年キロ当たり)3300円から3600円ぐらいにまで上がった。震災後は1500円から1600円だったので、23倍から24倍に貝柱の値段が跳ね上がった
背景にあるのは中国へのホタテの輸出です。一大産地となる北海道や青森から、中国向けの需要が高まっていたことに伴い、国内での取引価格が上昇したのです。
東日本フーズ 佐藤俊一社長中国がプライスリーダーとなってどんどん(取引価格が)引きあがって来た
こうした中、福島第一原発からの処理水の海洋放出が先月24日に始まり、中国は日本産の水産物の輸入を全面的に禁止しました。これにより中国に輸出されるはずのホタテが行き場をなくし、国内市場での更なる「だぶつき」が生じているのです。

すでに東日本フーズは、今年4月から8月にかけてのホタテの売り上げが去年の半分にまで落ち込んでいました。ホタテが高くなりすぎて買い手が減ったからです。去年の在庫がまだ残っていることもあり、通年で行なっていた仕入れは、7月以降、ストップしています。
東日本フーズ 佐藤俊一社長「我々の客となるスーパーマーケットの寿司の盛り合わせに入るホタテの貫数が今まで2貫入っていたのが1貫になったり、取りやめになる。売り上げは半分。利益は損失の方が大きい
東日本フーズでは、一日も早く仕入れ値が下がり、国内での需要が高まることを期待しています。