2023年9月23日土曜日

「放出、苦渋だが不可避」 アルプス処理水放出で前規制委員長

 アルプス処理水の海洋放出は、当初から原子力規制委が、トリチウム水は原発から常時放出されているから問題ないとお墨付きを出していました。
 当時の規制委員長の更田豊志氏が共同通信のインタビューを受けて、「放出時の濃度を現行の10倍にして放出期間を3年で終わらせても、人や環境に影響が出るとは考えられない」と問題提起しました。
 放出先の海水で希釈することには元々何の意味もないので更田氏のいう通りなのですが、今から「計画時の10倍の濃度で放出する」などと変更するのは周囲が許しません。
 もう一つ、トリチウムの総量は約780兆ベクレルといわれ、年間の放出限度を22兆ベクレルに決めた以上、放出期間は自動的に 780兆÷22兆/年=35・5年 になります。
 単に人騒がせな発言というしかありません。
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「放出、苦渋だが不可避」 原発処理水で前規制委員長
                            共同通信 2023/9/20
 原子力規制委員会の更田豊志前委員長が20日までに共同通信のインタビューに応じ、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出について「廃炉を進めるため苦渋だが不可避な選択だ。人や環境への影響は科学的に無視できる」と理解を求めた。計画では2051年まで放出が続くが「設備の老朽化や風評被害を考えると、より短い期間で終わらせるのが望ましい」との見解を示した。
 東電は処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を、国の基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満とするため大量の海水で薄めて放出する。8月24日から9月11日に実施した初回は200ベクレル程度で放出し、周辺の海水や魚のトリチウム濃度に異常は確認されなかった。年間総放出量は22兆ベクレル未満とする。
 更田氏は「過剰に薄めても科学的には意味がない。今の計画で30年かけて放出するのと、例えば10倍の濃度で3年で終わらせるのと、どちらが風評被害が大きいだろうか。10倍でも人や環境に影響が出るとは考えられない」と問題提起した。