新潟県知事選はブログ界でも関心の的になっています。
「世相を斬る」のあいば達也氏は、新潟県知事選は新潟日報が7月以降、泉田知事バッシングの報道を繰り返すという「ペンの暴力」事件=21世紀のミステリーに端を発したとしつつ、いまは米山氏と森氏の両候補が並んでいる状況なので、並んでしまえばもう米山氏が勝つ(あいば氏の選挙予想はいつも反体制側に甘いところがありますが・・・(^○^))として、そうなれば東京都と新潟県から日本の大改革の狼煙が上がることになると述べています。
また植草一秀氏は、新潟県知事選で課題は原発だけではないものの原発問題は突出して重要な問題なので、いま日本の主権者全体が新潟県民の判断を注目していると述べています。そしてこの選挙で特筆すべきことは、民進党の支持母体である「連合新潟」が、原発推進と見られる候補を支援していることでーこれが民進党の現実であるとして、原発稼働阻止の方針を示す米山隆一氏を必ず新知事に選出すべきであるとしています。
民進党のダメさ加減については、あいば氏も勿論同じように述べています。
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原子力発電、これでも安いのか! 狂気の沙汰になりつつある国策
世相を斬る あいば達也 2016年10月6日
世の中と云うもの、強者の一人が狂い、周りが同じように狂い出すと、右顧左眄と云うか、「空気」が右に倣えを強制する雰囲気が強く漂う。おそらく、こう云う風潮が社会に蔓延していくと、ファシズム国家等と云う、民主国家では、あり得ない現象が、簡単に現実のものになるのだろう。電力会社が地域独占に近い国家からの庇護を受け、その民間企業が、不当利得と思われるような利益を生み、社員、役員は高給を貪り、地域や関連企業を請負業務や雇用、寄付等潤わせる。そして、その金と組織に、与党、野党の別なくタカリや選挙応援をあてにする。このような構図が許される国は、きっと、一瞬の空気で、ファシズム国家になるのだ。
新潟県知事選は、21世紀のミステリーさながらな事件と言ってもいい事態が推移している。絶対的県民の信頼を集めていた4期目出馬を宣言していた、新潟県知事・泉田裕彦氏が、突如、出馬を撤回した。強靭の精神の持ち主と思われていた泉田氏の出馬撤回は、色んな憶測が複合的に泉田氏を襲った結果と言える。現実には、構造的に追い詰められていたわけだが、県の第三セクターによる不始末が、泉田の命取りであったとは思えない。構造的に、第三者の目には見えない、何かが、「ここまで攻め込まれては…」と、泉田が撤退を決意したのだろう。
ここ数年で、泉田知事包囲網は、着々と構築されていったようだ。その勢力は、「原発推進」と云う四文字の旗幟の下、秘密結社のように集散してしていたのだろう。当然、反泉田の正面は「東京電力」。その東京電力に原発再稼働をさせたい、官邸、経産省、文科省、新潟県の原発関連企業連合。そして、極めつけは、新潟県民の7割が購読していると言われる、地域独占新聞社「新潟日報」である。同紙が、異様な形で東京電力からの広告出稿で息をついている地方新聞であることは、常々知られていた。この泉田知事バッシング報道は、今年7月以降、狂乱的繰り出された。県政をまともに報じない、県記者クラブは、終身で同紙が幹事社と云う不文律になっており、他紙も触らぬ神状態になっていた。
*他の社は、異様な新潟日報だと感じていても、火中の栗を拾うメリットもないので、そのようなペンの暴力を許す土壌は、益々エスカレートしていった。泉田にしてみれば、絶大な味方は、新潟県民なのだが、毎日、ネガキャンペーンを執拗に行う新潟日報の鬼気迫る態度に、危険さえ感じたのかもしれない。そして、最後に、泉田の腹を決めさせたのが、「或るリスキーな出来事」と、電事連が核となっている「民進党」が蓮舫野田体制になったことで、先を見越したのだろう。
あと数カ月で知事選だと云う時点で、泉田知事が出馬断念をしたことは、「反原発派」に大きな挫折を与えた。自公が推薦する前長岡市長森民夫候補の単独知事選と云う異様な光景が、寸前まで見えていた。政府、電力業界、東京電力、地場産業界、新潟日報は、そこで勝利を確信したに違いない。なにせ、対立候補が出馬しないのだから、逆立ちしてでも当選確実の様相を呈していた。しかし、好事魔多しと言う通り、あらぬ方向から、「原発政策は慎重に」と云う立場で、異能を持つ、民進党の米山隆一氏が立候補を表明した。
当初は、選挙準備の遅れ等もあり、森民夫氏の独走態勢だったのだが、ここ数日で、その状況が一変している。森67歳、米山49歳。これだけでも、並ばせてしまえば米山の勝ちだ。まして、東大医学部卒のれっきとした医師であり、その上、弁護士でもある異能を持った若い対抗馬が出てきたのだから、新潟県民も吃驚だろう。米山候補は、当然、自分が所属している民進党に、推薦を依頼していたのだが、蓮舫野田ラインは、「地元に任せている」と大法螺をついて、電事連に恭順に意を表した。
この新潟知事選の勝敗如何では、蓮舫野田ラインの民進党は、その後光を失い、国政での発言力も失うし、党再生どころか、更なる、党破壊に寄与しそうだ。それでも、共産、社民、生活と市民連合の形が、日本の政治シーンで、一定の存在感を示しだすことは、長い目で見た場合、損して得取れに至るのかもしれない。いや、今回の知事選でも、日本の既得権集団を、一敗地に塗れさせる可能性も充分にある。東京都の大改革も緒に就いたばかりだが、新潟の地で、既得権集団排除の政治も緒に就いて貰えるなら、中央、地方から」、日本の大改革の狼煙が上がらないとは言えないだろう。
(以 下 【毎日新聞記事 引用】 略)
原子力ムラの暴走を阻止する新潟県民
植草一秀の「知られざる真実」 2016年10月 5日
新潟県知事選が10月16日に投票日を迎える。最大の焦点は原発だ。
東京電力柏崎刈羽原子力発電所を再稼働することの是非を問う選挙である。既得権勢力は、もちろん原発再稼働推進である。
「原発の安全性を確認すること」を強調していても、本音が原発再稼働にあることは明白である。
原発が推進される理由はひとつしかない。「巨大利権」であるからだ。
「国民の生命、自由、幸福を追求する権利を根底から覆す明白な危険」そのものであるのが原発である。
このことを東京電力福島第一原子力発電所の現実が明白に示した。
国民の生命、自由、幸福を追求する権利を尊重するなら、原発稼働の選択はない。
それにもかかわらず、安倍政権が原発を熱烈推進している。
「いまだけ、カネだけ、自分だけ」この「三だけ主義」が安倍政権の基本である。そして、新潟の主権者が判断を迫られている。
愛媛県の伊方原発が再稼働された。巨大地震の発生源と言える中央構造線に極めて近い場所に立地する伊方原発。
伊方原発は狭隘な半島の付け根部分に立地しており、事故を引き起こした場合、原発よりも半島の先端側に居住する住民は逃げ場を失う。見殺しにされるのである。
それにもかかわらず、10月2日に実施された伊方町町選挙では、原発推進の元県議・高門清彦氏が原発稼働に反対する西井直人氏を大差で破り、新しい町長に選出された。
得票数は高門清彦氏が5451票、西井直人氏が765票 だった。
投票率は71・45%、当日有権者数は8834人だった。重要な選挙であるが、この選挙に決定権を持つ主権者は8834人しかいない。
地元の住民が原発稼働に積極的であるのは、原発稼働が「巨大利権」をもたらすからである。
しかし、原発が事故を引き起こすときに被害を受けるのは立地自治体だけではない。フクシマ事故では東日本全土、あるいは日本全土が喪われる危険が表面化した。現にフクシマ事故のために、10万人を超える人々が移住を迫られる事態が発生した。
立地自治体の了解を必要とするなら、事故を引き起こしたときに、被害が及ぶ可能性があるすべての自治体の了解を取ることが必要である。原発が立地する、その場所の自治体の了解だけで原発を稼働させることが正しくないことは誰にでも分かる。
県知事選では県民全体の判断が示される。
「巨大利権」に群がろうとする人々が存在するのは推察できるが、県民は単なる「利権追求」ではなく、問題の本質を理解して、賢明な判断を示すべきだ。
選挙を通じて主権者が求める政治を実現させるには、選挙の際に、明確な選択肢が示されることが必要だ。県政の課題は原発だけではないが、原発問題は、突出して重要な問題であると言える。
日本の主権者全体が新潟県民の判断を注目している。
この選挙で特筆するべきことは、民進党の最大の支持母体である「連合新潟」が、原発稼働反対の候補ではなく、原発推進と見られる候補を支援していることだ。
そのために、安倍政権に対峙すると振る舞っている民進党が、原発稼働反対の候補を支援していないのだ。これが民進党の現実である。
日本の主権者全員がこの重大事実を知らなければならない。民進党は原発稼働阻止ではない、原発稼働推進なのだ。新潟県民は、原発稼働推進の新知事を選出するべきでない。
原発稼働を阻止するため、原発稼働阻止の方針を示す米山隆一氏を必ず新知事に選出するべきである。
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